竹内銃一郎のキノG語録

満員御礼 「なつゆめ」打ち上げでの長い話2013.04.23

「なつゆめ」めでたく終了。恐れていた地震もなく、お陰さまで、どうなってんだと思うほどお客も入った。
しかし、その理由・原因がはっきりしない、だから釈然としない。シェイクスピアをやれば客が入るというのなら、シェイクスピア押しでやってもいいんだけど ……
昨日の打ち上げで、打ち上げの始まりの挨拶ににつかわしくない、長い長い話をした。いろんな話をしたが、以下はそうのうちのひとつ。
長くやってると、よほどのバカじゃない限り、それなりのテクニックが身につく。そんなテクニックだけではなしえない作品を作りたいといつも思っているけれど、今回も出来なかった。つまり、手の内で出来てしまった、作ってしまった。それが残念だ、云々。
あるいは
保、武田さんを除くと、おそらく自覚はあると思うけれど、みんな下手糞だ。でも、下手糞はダメかというとそうじゃない。下手糞じゃないと出来ないこと、下手糞でも保や武田さんに出来ないことが出来るはずだ。うまくなろうとなんかせず、そのことを考えてほしい。高橋源一郎の受け売りだけど、誰にも自分だけが歩く道があるが、それはすでにあるものではなく自分で歩きながら作っていかなくてはいけない。誰かに憧れるのはいい、だけど、そのあとをついて行くだけでは、永久に憧れの対象に追いつくことは出来ない。自分の道は自分で切り開いていくしかないのだ、云々。
保、武田さん。俳優としての力量もさることながら、やはり、芝居への傾き方がいい。稽古に臨む姿勢が素晴らしい。生き方こそが思想なのだ。

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