竹内銃一郎のキノG語録

円広志 讃!2014.04.28

昨日のこと。15時半。目を皿にして競馬のパドック中継を見ていると、携帯にメール。
誰だ、このくそ忙しい時にとしばらくほったらかしにしていたら、続けざまに何本も。 東西のメインレースを外し、意気消沈でメールを開けると、NIPPONなんとかという文字が並んでいる。 見てみると、16~17時にお宅に380万円が届く、それを受け取る意志はあるか? という内容。
うん? 退職金の一部かなにかかな? と思い、返信せよというので、「了解」と送る。 と、間をおかず、同じ差出人から同じ内容のメールが。 そこでやっと、これは詐欺だなと気づく。
冷静になって考えれば、いまは郵便公社とでもいうのか、とにかく郵便局がわざわざそんなメールを発信するはずもなく、ましてや、送り主も誰だか分からないのだ。
当然、無視すればいいのだと思ったが、待てよ、この種の詐欺がどういう手順でなされるのか、いい機会だから、ひっかかった振りをしてちょっと取材してやろう、いま書いてる戯曲に使えるかもしれないし、と思ったが …
そんな軽い気持ちで突っ込んで、もしも怖いお兄さんが出てきて、後戻り出来なくなったらどうするの? と思い直し、やっぱりやめる。自慢じゃないが、わたしは気が小さいのです。
それから20本ほどメールが送られてきて、今朝起きてメールを確認したら、届くお金が980万にはね上がってた!
子供だましとしか思えない手口だが、ひとはいつも冷静な状態でいるわけではなく、落ち込んでいたり、逆に調子に乗って舞い上がっていたりしてるときに、こんなメールを貰ったら、ラッキーと思ってひっかかってしまうのかも。
新しい住まいはこれまでと違って、仕事部屋とテレビのある部屋が別なので、テレビを見てる時間が大幅に短縮。
野球もみなくなりましたな。最初の3回くらいまで見て終わり。競馬中継を除くと、見ている番組といったら、月曜夜の「明石家電視台」、水曜夜の「今ちゃんのじつは…」、日曜夜の「大阪ほんわかテレビ」、それに月~金朝の「よーいどん」くらい。よく考えたらみんな関西ローカル番組だ。
昔、詩人の鈴木志郎康が、みんなNHKの朝の連ドラをマンネリでどうのこうのと批判するが、例えば、田舎に住んでいて、子供たちはみんな都会に出て行ってる、そんなひとり暮らしの老人達の中にはあれが楽しみで、登場する俳優だけが自分の親しい知り合いだと思ってるひとがいっぱいいるはずだ、などと書いていたが、それ、よく分かる。
前述した「よーいどん」は、関西テレビの朝のワイドショーなのだが、その司会の局アナの高橋真理恵さん、このところ毎日のように見ているので、なんだか近所の、昔からよく知ってるかわいいお姉ちゃんのような気がしてきて…
それにレギュラーの円広志が。
東京のテレビではほとんどお目にかからないが、関西では毎日のようにその顔を見かける人々。 やしきたかじん、上沼恵美子、なるみ、円広志がその代表選手だったが、たかじんは亡くなり、上沼もこのところ露出を減らしていて、なるみはどんどん退屈になっている、と。そのなかで円広志だけがますます健在。飛んで飛んで、いま絶好調でしょ。いつ見ても面白い。
「よーいどん」の冒頭に置かれている、あちこちの町をぶらぶら歩いて、いろんなひとにインタヴューする「となりの人間国宝さん」。このコーナーの円がとてもよい。見知らぬ素人相手に的確なツッコミ・ボケを織り込みながら、笑いあり時には涙あり。わたしのように人見知りの激しい人間から見たら、ほとんど神業だ。
ともだちになりたい。
しかしこのひと、パニック症候群だったのでは? もう治ってるのかな?


一覧