竹内銃一郎のキノG語録

ウルウルの日々。コロナ感染脅威の一方に喜びの出会いが。2020.03.27

とうとうコロナ野郎が牙を剥きだし始めた。これまでにも書いたように、コロナ感染を気にしながらでは稽古に集中は難しかろうと判断して、6月公演を回避し来年1月に延期したのだが、まさかこの時期にここまでヤツ等が侵入して来ようとは。戦闘開始か?!

今週の火曜日、柄本さんから「京都に来てるんだけど …」という電話があって、四条河原町の高島屋前で会い、三条まで足を延ばす。「もうひとり来るけど、いいよね、邪魔になるようなのじゃないから」と言われ、現れたのが30代半ばのハンサムボーイ。てっきり俳優さんかと思ったらこれが! 彼の詳細な紹介はとりあえず省こう。とにかく三人で結構なお店に入って酒酌み交わし、言葉を交わし、実に楽しい時間を過ごす。それからすぐ近くにある、ナオさん(前述のハンサムボーイ)が営むコーヒー店に場所を移して会話を続けていると、そこにナオさんの店のお馴染みのお客がやってきて、彼の誘いで花見小路の結構なお店へ行き、可愛い舞妓さんやら芸奴さんも加わって、これまで味わったことのないご機嫌な時間を過ごし、気がつくと12時近く。明日になる前にと散会し、30分ほど歩いて家に帰る。と、驚くべきことが。前々回のブログにも、伏見桃山で松本くんと12時近くまで飲んでいて、…と書いたのだが、今回も、帰宅してPCのメールを開くと、先週同様、柴部からのメールが届いていて、その中に約50年前に彼の部屋で撮ってもらった、若きわたしの写真が添付されていたのだ。前回のブログでは、思いもよらぬわたしの老醜に驚嘆したと書いたが、今度は自分の信じられない若者ぶりにもっと驚く、なんて昔の自分は可愛かったのだ、と。クー。

昨日の午前中、いつもの散髪屋に出かけて、例によって例の如く、マスターの絶妙なハサミ使いと話しぶりに40分間笑い続け、それから三条まで足を延ばして、映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」を見る。この時期にこんな映画を見る客など …と思いきや、それなりの数の観客が入っていて驚く。映画自体は退屈ではないけれど「マズマズ」程度。それはともかく、あの三島由紀夫を相手に、小馬鹿にしたような言葉を連発する学生たちにも首を捻ったが、そんな学生たちに対してむかつくことなく堂々と、或いはにこやかに自論を語る三島にはちょっと感心してしまった。わたしだったら始まって5分もしないうちに、「ふざけるな!」と怒鳴って帰ってしまっただろう。

そのあと10分ほど歩いて、前述のナオさんのコーヒー店に出かける。前々日に楽しい時間を過ごさせてもらったお礼を一言伝えたかったのだ。カウンターに5,6席の小さな店で、満席になることはなかったが絶えることなく客が入ってきて、彼らへの対応に手を抜くことはないのだが、ずっとわたしとふたりで2時間強、映画の話あれこれを話していた。別に映画関係の仕事に就きたいわけでもないのに、映画についてこんなに熱っぽく語る若者と会ったのは初めてだと、ある種の感動を抱えて家に帰ると、2月にあった「同窓会」で久しぶりに会い、二次会で映画の話をし、もう少し話したいからとわたしの家まで来てもらった嶋田くんからメールが届いていて、それは、お薦めの映画を見たいというので、彼のところにわたしが送った3枚のDVDの感想文だった。驚いた! いまはスポーツジムで働く彼が、ここまで熱っぽい映画ファンだったとは! そして更に、またもや思わぬ偶然の一致が。先に書いたナオさんと嶋田くんは、いま38歳の同い年だったのだ!

 

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