竹内銃一郎のキノG語録

暴言、まるで落書きのように2020.06.01

昨日のダービー、久方ぶりに馬券ゲット。しかし、それほどの喜びにならないのはどうしてか。わたしの今年のPOG所有馬が一頭も出走していないことも、その理由として考えられるが、やっぱり、「コロナ感染問題」の影響が大きすぎるからなのだ。いや、感染自体ではなく、三蜜は守らねば外出時にはマスクをつけねば手を洗わねば等々、政府及び都道府県知事の指示、それを執拗に今もなお報じ続けているマスコミの報道姿勢、そして彼らの言に素直に従う、少なからずの<一般市民>たちが、わたしには実に実にウザイのだ。

毎週月・火は必ず見ている、関テレの朝の番組「よーいドン!」は、コロナ感染のため、番組内容を変えていて、これまで放映した「人間国宝」さんのコーナーの中で、とりわけ面白く楽しいものを選んで放映し、そこで登場した「人間国宝」さんが、いまはどうしているかを伝えている。放送は月曜から金曜日までやっているのに、なぜ月・火しか見ていないのか? 毎日あるこのコーナーの月・火以外は、円広志が担当していないからだ。以前にも書いたが、見知らぬ素人相手との会話を、彼ほど楽しく興味深いものに仕立て上げられる者は、他にいないのだ。(彼はパニック障害者なのに?!)。今日取り上げられた3人のうちのひとりは、「十三のピカソ」と呼ばれる70代の男性。彼は画家になりたくて金沢の美術大学に入学したのだが、学生時代に家の仕事(=居酒屋)をやっていた父親が急死し、そのあとを継ぐために画家になることを断念。しかし二十年後。居酒屋を営みながら絵を描くことを始め、これまで海外の賞を幾度も受賞! 彼の絵がピカソ的かどうかはともかく、実に大胆かつ流麗で、彼が「頼まれれば醤油とソースと割り箸を使って、客の似顔絵を描く」というので、「ホンマかいな」と言いながら円が自分の似顔絵を頼むと、さらさらと1分足らずで、醤油等3種を使って描いてしまった。凄い。彼の言もまた刺激的なもので。曰く「絵が売れるためには、多くの人の関心を惹くように描かなければいけない。でも、それが嫌だからそんな志向はしたくない。その思いは歳を重ねるに従って大きくなった。いまは、子どもの落書きのように、好きなように描いているつもりだが …」。彼のそんなことばを聞いて、前述のこと、つまり、マスコミやそれに粛々と殉じる一般市民への悪態を思う存分ここで書きたいと思った。

みんな分かってるのかな? マスクは感染から自らの身を守るためでなく、他に感染させないためにつけるものだってこと。そもそもマスクなんてどんなに高級品であろうと、目には見えない微細なウイルスを防げるわけがない。もしもそれが可能だとしたら、マスクをつけたら最後、1分経つか経たないうちに呼吸困難になってしまう。マスクで防げるのはせいぜい、近くにいるひとが咳やくしゃみをした時に飛ばすツバくらいのものだ。スーパーなどに行くと、入口のところに手を洗う消毒液が置いてあり、マスクをつけていないひとは入らないで、なんて貼り紙がしてある。しかし、中には大勢の客がいて、てことは、換気したってなにをしたってウイルスは渦巻いているのだ、iPS細胞の山中教授もTVで言っていた、感染者の多くは無症状なんだって。てことは、家の中も安全なわけがない、なのになんで不要不急の外出を厳しく咎めたの? TVのワイドショーに出演している連中は、番組に出ればギャラが入るから、アブナイアブナイと口では言いながら、ホントは腹の中でウハウハ喜んでるんじゃないのか? そうだ、きっとその種の番組の関係者は、コロナ感染関連のニュースを取り上げれば一定の視聴率が稼げるから、第二波第三波がやってきていまの状態が続けばいいと思ってるんだ。そんな連中の言動を鵜呑みにする連中のほうが、わたしにはとても危険に思える。珈琲屋のなおさんが言ってたが、彼の奥さんがマスクなしで街を歩いてたら、向こうからやって来たおばさんが彼女の接近をよけるために、すれ違う際、持っていた傘を広げて彼女の方に向けたとか。馬鹿な。3月に、アベちゃんが突然、学校休校を支持した時、みんなブーブー反発したのに、どうしていまは<お上>の指示を受け入れるの? 受け入れられるのはきっと、外出を禁止されてもそれほど生活が痛まないからだ。と言って、別にわたしは日々の暮らしにはなにも困っておらず、いや、緊急事態宣言がなされる前と後の生活は、ほとんど変わっていない。変わったのは、映画館に行けないことと、「芝居の公演が出来るだろうか」という不安が時々頭をもたげることくらいか。実際、不倫がどうの、クスリがどうの、パワハラ・セクハラがどうのなんてニュースのマスコミの扱い方、及び、それへの視聴者=市民の反応と、今回のコロナちゃんに対する対応・反応はほとんど変わらない。一言でまとめれば、あっちもこっちもこの国はミーハー好みで溢れてる。ニューヨークの連中は反発して暴動なんて起こしてるんだから。黒川検事長が新聞記者たちと賭け麻雀。それを非難する声はなに? 知事どもが緊急事態時に閉店しないパチンコ屋を公表したのも、あれ、密室だからってことよりも、パチンコはギャンブルだからなんだ、きっと。いいの? それで。冒頭に書いた競馬なんて国が認めてるけど、あれギャンブルですよ。

来年1月の公演は出来るのだろうか? 出来るとしても入場者数の制限はあるんだろうな。でも、劇場が閉鎖しない限り、感染を恐れて客が来なくても、わたし(たち)はやります。そうだ、前述した十三のピカソ氏に倣って、わたしも落書きするように芝居を作りたい。

 

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