竹内銃一郎のキノG語録

内輪のことば いまどきのテレビ2010.09.29

芝居のパンフレット、ひどいねって、昨日はそんなことを書きました。それは内輪の話、内輪のことばに終始していて、ちっとも広がらない。他人の方に言葉の翼がひろがらない。いいじゃんこれでって、そういってる貧しさ。
映画のパンフレットはもう少しちゃんと真面目に作ってる。だから、家の本棚に並んでる。もう一度読むことあるかも知れないと思って。ビジュアルだけで言えば、芝居のパンフレットも凝って作ってるもの、いっぱいある。でも、繰り返します、中身がスカスカ。時間が経ってもう一度手にとってみようなんてこと、絶対にありえないような代物。こんなことしてたらホント、雪崩をうってみんなダメになる。
以上のような話の流れで、先日あった「キング・オブ・コント」移ります。
これもまあ、目を覆いたくなるような惨状で。審査員が準決勝で落ちた芸人たちって、これ要するに、内輪ですませましょってことですよね。
どれだけアタマが悪いの? いや、芸人たちのことを言ってるわけじゃなく、局がって言うか、番組のプロデューサーがって言うか。
だって、審査を任された芸人たちには、これからの自分たちの生活・将来がかかってる。だから、自分たちの行く手にたちはだかりそうなヤツなんか選ぶはずないですよ。だから、東京03とか今年のキングオブコメディとか、自分らにとっては安全パイ的なヤツを選ぶわけで。しずるだのロッチだのじゃるじゃるなんて若手は、間違っても選びません。普通考えたら誰でもわかる理屈でしょ、これは。
局は、担当のやつらはなに考えてんだろう? 彼らにとっての至上命令は、視聴率をあげることでしょ? 視聴率をあげて世間の注目を浴びることでしょ。それで、え? キングオブコメディで視聴率とれるの? キングオブコメディは今度の優勝でグッと人気があがるの? 彼らの人気急上昇とともに番組の価値があがるの? そんなことないでしょ、絶対! 局は、担当は、そういうことを可能にするために知恵を絞らなきゃいけないはずなのに。
テレビ局でしょ、メディアでしょ、情報を発信するのが仕事でしょ。自分たちはお笑いをこう考えている、いまのこれからのお笑いはこうあるべきだと考えるって、なんで言わないの? あいつら、なーんも考えてない。なーんも考えないで芸人たちに丸投げしてる。
丸投げっていえば、同じテレビの番組で。いま赤丸急上昇の池上彰がニュースの解説をするってヤツ。
いや、池上某は別にどうでもいいんです。さほどの関心もないし。
あ、時間が! これから授業に行かなきゃいけないので、ここで中断です。

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