竹内銃一郎のキノG語録

菌・未来  ネットの評判はあてにならない。2010.06.08

研究室のパソコンがウイルスに汚染されたようだ。マイッタ。戯曲もこれから佳境に入ろうかという時に。
以前、このウイルスをネタにした映画のシナリオを書いたことがある。銀行の口座に1円振り込むと、ウイルスのいたずらで0がどんどん増えて、またたくまに1億10億になるという ……。
詐欺師の話で、原作があった(ウイルス・ネタはわたしのオリジナル)。原作者が制作費の大半を出したのではなかったか。バブルの頃で、まさにバブリー丸出しのひとだった。
この原作、映画化が決定するしばらく前から、新聞に載る「書店調べによる今週のランキング」では、ずっとベスト5に入っていたのだが、それは彼の経営してた会社がまとめ買いをしていたからだ。ランキングの対象になる本屋は限られているので、1店で週に100冊も買えば軽くランクインですと、その作家兼経営者兼詐欺師まがいは、うそぶいていた。だからランキングなんてあまりあてにならない。
ネットで、映画やテレビドラマや芝居等々の評判が書かれたりしてる。といって、わたしはまったく見たことないが。
低予算の芝居はともかく、映画、とりわけテレビ局が製作に関わっている映画はきっと、「いい評判」を書くバイトをやとっているはず。だから、ネットの評判などもあまり真に受けないほうが …。ま、こんなことみんな承知しているとは思いますが。
ついでに書いておくと、少し前に、政治評論家や政治記者が政権政党の幹事長からお金をもらってるって話題になりましたが。予想外に話題が大きくならないのは、お金をもらっていたひとたちが、新聞社の中枢にいるからだろう。
演劇の評論家や演劇記者も、松竹や東宝等からもらってはいけないお金をもらっているようだ。もちろん、自分達に都合のいい記事を書いてもらうために制作側は出すわけです。もちろん、みんながみんなもらっているわけではありませんが。交通費ですといって法外なお金を出すので、慌てて断ったと、わたしにマル秘情報を流してくれたひとは、ひとりやふたりではありません。
クズはどこの世界にもいるというお話です。

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