竹内銃一郎のキノG語録

「太め」が気になる、今日この頃。  映画「リアリティ」を見る①2015.05.18

出ましたなあ、2000万超えの超大穴が。いや、大穴じゃないな。ここまできたら穴の縁など見えないから、宇宙馬券でしょ。うん?

競馬をよく知らないひとのために、なにが起きたかを説明しますと。昨日の東京・府中競馬場でのメイン、ヴィクトリアマイルという、トップレベルの牝馬が1600米の距離を競うレースで、1着2着3着を着順通りに当てる3連単の配当が、2070万円になったと。2070万というのは、100円で買った馬券がこうなるということなので、3連単5-7ー18という馬券を500円買っていたら、1億350万円になったと、こういう目も眩むような話です。もちろん、わたしが買った馬券はカスリもしなかったのですが、もしかしたら …という予感はあって。

わたしは、血統と当日の調子とレース展開という三つの要素を組み合わせて予想をするのですが、このレース、人気馬が揃って追い込み得意で、展開から、怖いのは逃げ馬だと思っていたわけです。でも、逃げ馬の1頭、ミナレットは大外の18番枠で、もう1頭の逃げ馬、ケイアイエレガントは、体重が前走より10キロ増。大外は、内の馬に比べて外を回らなければならない分、距離損があり、競走馬には人間のアスリートと同様、ベスト体重というものがあって、もちろん、重くては走れない。でも。逃げ馬の他に、要注意は最重量馬だとも思っていて。それは、このレースの前にあった新潟と京都のメインレースでともに、最重量馬が馬券対象馬になっていたからという、実に非科学的な理由があったからですが、2着に入ったケイアイエレガントは、な、なんと、出走馬中最重量馬だったのですよ。3着のミナレットもねえ。騎手が大穴男の異名をもつ、逃げたら怖い江田照男だったので、気にはなっていたのですが。ま、結果が出た後ならなんとでも言えるよという …

ケイアイエレガントは、その名を裏切るような、体重530キロの超グラマーなのですが(牝馬の平均体重は450~70くらい)、イタリア映画「リアリティ」(監督マッテオ・ガローネ)では、グラマーという形容では及びもつかない巨体を誇る女性たちがスクリーンを占拠する。といっても、彼女たちは主人公の奥さんの肉親、いうなれば脇役なので、それほど出番が多いわけでもないのですが。でも、気になって気になって。

主人公は、妻子ある魚屋。年齢はアラフォーといったところか。これからなにが始まるのかと、好奇心をそそられる冒頭。2頭の白馬にひかれた馬車を先頭に、きらびやかな衣装で着飾った人々が街中を行く。どこに行くのかと思うと、豪華ホテルに到着。馬車から出てきたのは、ウェディングドレスを着た女性とその夫になるのであろう男。控え室で、主人公がドラッグ・クィーン風のメークをしている。彼はこれから始まる結婚式の余興に出演するのだ。しかし? 披露宴で賑々しく真っ先に紹介されるのは、「ビッグ・ブラザー」という素人参加の人気TV番組に出演し、いまや大人気者になっているらしい男。主人公は、彼に間近に触れたことをキッカケに、自分も彼のように、と思い始める。そして …

この切なくて怖い映画の続きは次回に。

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