竹内銃一郎のキノG語録

「外道」にはまったヘーホー者たち2015.09.19

PCをヴァージョンアップしたら、ツイッターなるものが可能となり、試しに、2、3日前に見た城定秀夫のデヴュー作「押入れ」(傑作!)の感想をツイートしてみたが …。イマイチその仕組みがよく分からない。

そのヴァージョンアップのせいなのかどうか。昨日の夜、戯曲講座の講座生諸君にメールを送信しようとしたら、エラーで送信出来ないという表示が。今朝、再度のチャレンジを試みたが、同様のエラーメッセージ。プロバイダーにチェックして貰ったところ、こっちには問題はなく、Winの方に問い合わせてみては? とのこと。ネットには、わたしと同様の被害者の声が。なんであらかじめ、こういう危険があると教えてくれなかったのよ。

昨日、安保法制が委員会可決。本会議でも間もなく可決の見込みだ。この法案については、国民の多くが「説明不足でよく分からない」という声を上げているようだが。10本以上あるらしい法案一つ一つの詳細はともかく、日米軍事同盟をより強固なものにし、それによってしか国民の安全は守れないのだ、という政府の基本姿勢は明白に示されており、分からないことなど何もない。分かりやすすぎて、逆に分からないのかもしれない。分からないのは、野党の方も同じだ。とりわけ民主党。いったいなにをどうしたいのか。今回の安保法制にせよ、経済政策にせよ、互いの主張を冷静に突き合せれば、さほどの違いはないはずだ。だからまともな対案を出せないのだし、今回の<強行採決>だって、民主主義の破壊だと興奮気味に語っていたが、彼らが与党だったら似たようなことをしたのではないか。

国会前のデモ(?)はいまも続いているのだろうか。マスコミの彼らに対するにじり寄り方が厭らしい。こぞって、「ほとんどの参加者がなんの組織にも属さない、フツーの一般市民」であることを好意的に伝え、いとうせいこうなるひとは、それを称して「これは日本の新しい民主主義のめばえだ」などとTVで訳知り顔で称賛していたが。ちょっと待て。フツーの市民がデモに参加したのは、なにも今回が初めてじゃない。皇居前に最大で25万人が集結したという、戦後間もなくの「食糧メーデー」だって、確かに労働組合等が組織の中心にあったのだろうが、参加した多くは飢えた一般市民だったはずだし、かの全共闘だって、フツーの一般学生の運動だったのだ。自らの無知(無恥?)を棚に上げ、あるいは、忘れたふりしていい加減な嘘(=飴)を振りまいて媚びを売る、こういう連中は許せない。

「外道」の特質とは、<実在の運動>を離れて、おのれのほしいままの空想から物事を裁断することにある。相手の間抜けがもとで、たまたま勝ったに過ぎない幾つかの経験から一大流儀をでっちあげる。ああだ、こうだと奇妙な技や策略を捻り出す。こういう者が、「外道」にはまった兵法者の典型です。(前田英樹「宮本武蔵 剣と思想」より)

 

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