竹内銃一郎のキノG語録

NGKでざ・ぼんち2013.10.21

スマホってスマホでいいの? 正式名称はスマートフォンでしょ。縮めるんなら、スマフォ、あるいはスマフでなきゃいけねんでないかい?
昨日は、NGKでざ・ぼんちの結成40周年記念のライブ?を見る。
笑った。漫才5本! ふたりとも60歳を超えてるというのに。おさむちゃん、相変わらず大量の汗をかきながらの大奮闘。彼らの繰り出すネタは、ちょっといい話じゃない。馬鹿げてる、狂ってる。
文字ではそのおかしさを伝えることは難しい。
まさとの「救急病院」という言葉を受けて、おさむちゃんは、「そう、入り口がもの凄く狭い、キューキューやねん。廊下もこんなに狭くて。ほいで、院長がオスのかまきりやねん。オスのかまきりはエッチすると死ぬねん、すぐ死ぬねん、可哀そうやねん。蝉も長いこと地面の中にじっとしとって、ようやっと地上に出てきた思たら、死ぬねん、すぐに死ぬねん ……」と、これからしばらく、すぐに死ぬ生き物の話が延々と続く。
すごいです。ちょっといい話というのは、ま、日常でみかけた、みかけても不思議じゃない話で、ちょっと笑えるというそういうものだけれど、ざ・ぼんちのネタはそうじゃありませんからね。こういう超ド級の笑いは、ま、やわい若者には受けないのかもしれませんが。
と、ここまではよかったんだけど、最後に歌を歌って、これが聴いてて恥ずかしくなるようなバラードで、これをふたりが二枚目風に歌う。マイリマシタ。勘弁して下さい。
関西のお笑い芸人って、なにかコンプレックスがあるのかな。きっと、自分はそれだけの人間じゃないと思いたいし、客にもそう思わせたいんだな。あの藤山寛美だって、必ず世情へのいかにも安い風刺みたいなものを入れてたし。そうだ、このひとは関西のお笑い芸人ではないけれど、勝新太郎、勝さんも、昔お会いして芝居のことを話していたとき、悪巧みを働く代官等に、当時の代議士の名前をつけたら面白いみたいなことを言うので、こっちはすっかり鼻白んでしまい ……
関西の芸人が選挙に出たりするのも、結局、自分はただの芸人じゃないとアッピールしたいんだ。とか、いくら人気があるといっても、結局関西ローカルに過ぎないんじゃないか、という不安とか不満とかも手伝って ……?
ああ、あ。ざ・ぼんちはそのままで凄いのに。なぜそれが分からないのだろう? うん? おばちゃんたちが、笑わせるだけでなく、最後はちょっとしっとりした気分になりたいと思ってるからそれに合わせてる?
そんな関西のおばちゃん、殲滅したほうがいい。
昨日、メジャーのレッドソックスがアリーグ優勝で上原がMVP。それはいいけど、表彰式とかに子供なんか出すなよ。どーなってんだ、最近はなにかといえば、スポーツの現場に家族がしゃしゃり出てくる。
選手の家族なんか、みんな見たいと思ってる? ボクシングなんかでも子供をリングに上げて抱っこなんかして。家族愛? 知らん、そんなもん。家でやってくれ、そういうことは家で。
TVの要請だと思うけど、断れ。俺のプレーだけ見てくれたらいいんですと。
見たくないものというか、あんなもん誰が見たいと思ってるのかと不思議でならないのが、優勝祝賀会のビールかけ。当人たちはそりゃ楽しいんだろうけど、あんなもん見たくもないわ。大体、ビールは飲むものでかけるもんじゃないし。内輪でやってくれ、内輪だけで。
公私の境目がグダグダで、それを殊更に助長しているのがメディアだ。最低だな。

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