竹内銃一郎のキノG語録

みのとタモリとジャスタウェイ2013.10.28

みのもんた、「朝ズバ」降板。タモリの「いいとも」も来年3月で終わるらしい。 ふたりともわたしの同世代。もういいでしょ、止め頃でしょ。 確かもうひとり止めるひとが…あ、宮崎駿だ。ま、このひとはわたしよりかなり年嵩だが、若い人から見れば同じでしょ、60も70も。 わたしは大のテレビ好きだが、「朝ズバ」も「いいとも」も見たことがない、チラッとしか。 ついでに言うと、先ごろ評判になっていた「あまちゃん」「半沢直樹」も一度も見なかったし、「サザエさん」も「どらえもん」(正式表記知らない)も一度も見たことがない。 それはともかく。みのは、本当は止めたくなかったらしい。もっとやりたかった、それも、情報・報道番組を。要するに、「ケンミンショー」みたいな軽めの番組はもうやりたくないということだ。 ま、差別ですな、バラィテイよりそういう番組の方が上等でしょ、という。 彼の言動のすべてに、この手の上から目線というか、差別目線がちらついている。そして、だからこそ一般視聴者にも支持されてきたのだが、ここにきて、そんな空気も一変。彼を非難してるひとは、昨日まで彼の言動を、そうだ、もっと言え、と支持してきたひとと同じなんですよ、きっと。 ほんと怖い、一般市民。 みのは分かりやすいひとで、それが多くの支持を受けてきた最大の要因と思われる。だって、フツーのひとが思ってることを、大きな面と大きな声で言ってただけだから。 でも、タモリってなんだろう? 先にも書いたように「いいとも」はほとんど見たことがないけれど、時々チラッと見ると、自分の子供か孫みたいな若いタレント達と、他愛もないゲームなんかやっていて、毎日お昼にこんなことやってて、なにが楽しいんだろ、辛くない? と思っていた。 もちろん、楽しくなんかないのだ。だって仕事だもん、ってそういうスタンスでやっていたのだろう。 みのが底なしの野心家、自己顕示欲の亡者みたいなひとだとすれば、タモリはその対極にいるようなひと。 もちろん、タモリに自己顕示欲がないわけじゃないだろうけど、それは、大勢の前でワーワーやるようなことではなく、身内の趣味があうひとたちとドーデモイイ話を披露して、クスクス笑いあうみたいな、そういうものだろう。だから、「タモリ倶楽部」みたいなのが、彼の居場所なのだ。 明らかに対極にあるふたりだが、ネット時代というキーワードで考えると、ふたりが長く人気を保ちえたのがよく分かるのである。 みのもタモリも、芸人というカテゴリーで見れば明らかに二流のひとである。また、世が世なら、みのの押し付けがましさも、タモリの趣味性も、決して一般ウケするものではないはずだ。が、テレビというメディアがそういう<変な才能>を欲し、ネットがそれを後押ししたのだ。 特別な知識があるわけでもないのに、みのは偉そうに訳知り顔で政治や経済を語り、タモリはさんまのように特に面白いことを言うわけでもないけれど、彼の言動は、<通>を自認する人々の虚栄心をくすぐる。 ジャンルは違えど、ともに<素人>という意味では同じなのだ。 ふたりは、「奥さん、素人だってなにを言っても、なにをやっても、イイトモ!」と思わせてくれた、みんなの心強い味方だったのだ。   話変わって。昨日の天皇賞を勝ったジャスタウエイの馬主は、わたしの古い知り合い。最近はまったくご無沙汰ですが、彼が生まれた時から知っていて、一時期、わたしたちのPOGのメンバーでもあった。それが、賞金1億ゲットですか。もちろん、損得だけで馬主になったわけじゃないと思います。だって、ほとんどの馬主は損してるんですから。愛馬が走る。その健気さを目の当たりにしたら、勝った負けた、幾ら儲けた損したなんて、そんなこと屁でもない。 でも一億円、ウラヤマシイー!

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