スピード感は緩急織りなすところに … 「~魂~」稽古ノート⑤2016.06.12
今朝のスポーツ報知で、遠藤賢司氏が現在、癌のため闘病中であることを知る。通称エンケン氏は、3月のMODE公演に来場。以前このブログでも書いたように、彼の曲「夢よ叫べ」を劇中に使っており、それでわざわざ来られたのだろう。公演終了後、エンケン氏が面白かったと言っていたことを知り、それはよかったと思っていたのだが。報知の記事には、今年の3月の初めに癌であることが分かったとあり、ということは、癌である身をおして芝居を見に来たのだ! 申し訳ないというか、なんというか。一日も早く元気になられることを祈ろう。
これも以前に書いたが、エンケン氏はわたしと同じ1947年生まれだが、やはり、1947年生まれである北野武の最新監督作品「龍三と七人の子分たち」を見る。というか、我慢して30分ほど見続けたが、そこで放棄する。30分経っても話の先行きが見えないというのはどういうことか? このところ、WOWOWで50年代にアメリカで作られた犯罪映画を見ていて、そのスピーディでナイスな話の展開に心奪われていたから、「龍三~」ののろまぶりと無策のシナリオに我慢がならず。それを武の老いのせいにするのは簡単だが、<問題>はそこではない。北野武というひとは、たとえば、ハワード・ホークスの映画など見たことがないのではないか。ここに来て才能の泉が涸れはて、その映画的無教養ぶりが露わになっている。そこに問題が …
老いと年齢は関係がない。先日、TVで久しぶりに見たW・ヤングの漫才の素晴らしいスピード感がその事実を明らかにしている。ボケの平川幸夫は御年75歳だが、返しのスピードといい、舞台を走り回る旺盛なエネルギーといい、まったく年齢を感じさせない、まさにヤングの中のヤング!! スピード感は緩急織りなすところに生まれる。ただ早いだけではダメなのだ。日ハムの大谷も163キロの速球だけでは三振はとれない。スピーディなやりとりが続いたあと、いきなりフッと間を空ける。平川はこれが絶妙なのだ。
いよいよ本番まで約一ヶ月。稽古も佳境だ。台詞のやりとりは、詰めたら空ける、空けたら詰めるが基本だが、基本・原則は破られるためにあり、詰めたら詰める、空けたら空けることだってアリである。今週はそこらへんのところを、細かくチェック・確認をして …