竹内銃一郎のキノG語録

日々刻々と … この一週間2016.09.14

エライ目にあってしまった。このサイトのパスワードを忘れてしまい、というか、おかしな操作をしてしまったのだろう、あれやこれやで、このサイトを開くためにとんでもなく時間がかかってしまい …。モウー! これだから素人は。

先週、劇作家協会が主催する戯曲講座の講師をつとめるために、東京へ。ちょうど「ポンピドゥーセンター傑作展」を都立美術館でやっていたので、それを見に行く。やっぱり、誰もがその名を知っている、ピカソ、マティス、シャガール、ジャコメッティ等々の作品が際立っていた。それは有名であるとか、その作品を見たことがあるからではない。綺麗であるとか、ユニークであるとか、他に比べて冒険的であるとか、そういう単純な話だ。しかし、なんといっても際立っていたのはデュシャンの「自転車の車輪」だ。タイトル通り、自転車の車輪を台に逆さに取り付けただけのものなのに、綺麗でユニークで冒険的、高貴の匂いさえ漂わせていた。舐めてるなあと、笑ってしまう。

戯曲講座の受講生は50人ほど。名簿を見ると、20代(10代も含む)が20人ほどで、50歳以上が10数人。途中10分間の休憩を入れたが、年齢・キャリアに差がある50人を相手の2時間の講義はなかなかしんどい。それぞれニーズが違うであろうことは明白だからだ。平均をとれば、当たり前の一般論に終始してしまうし、かと言って、見知らぬひと、一夜限りのひとを相手に、<我流>をぶつけるわけにもいかず。的が絞れぬまま、両方を案配しながらの講義だから疲れるのだ。やっぱりと言おうか。終わった後、例年のように「飲み会」に招かれ、あれこれ受講生たちと話したのだが、どうもわたしの話を誤解・曲解しているらしいことが分かり …。講座の担当者に確認すると、今年の講師の中でわたしは最年長であるらしい。そろそろ引き時かもしれない。

という話と関係あるのかないのか。このところ話題になっている、築地市場の豊洲移転問題。盛り土がどうだこうだとかまびすしいわけだが、あっちこっちのワイドショーに出演し、訳知り顔で解説している森山某という男。こいつは、東京五輪のメインスタジアム建設問題でも大活躍していたが、いったい何者? 他に適任者はいないの? こいつひとりに喋らせてていいの? 頼む方も頼む方だが、それを引き受ける方もおかしくないか? あっちでもこっちでも同じ話をして、それでお金をもらってるわけでしょ。後ろめたいとは思わんのかね。別にそれをエライというわけではないが、わたしは、大学でも先の戯曲講座でも、毎年違う話をするよう心がけていた。後ろめたいからというより、同じ話を繰り返すのは、(自分が)詰まらないからそうしてきたのだが。というより、年齢も体調も自らを取り巻く環境も、日々刻々と変化するのだから、むしろ、それらに合わせて、変わる・変える方が理に適っていると思うのだけれど。

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