竹内銃一郎のキノG語録

福谷のOMS戯曲賞受賞とスーちゃんのこと2016.12.16

松本くんからのメールで、福谷がOMS戯曲賞を受賞したとあり、ネット検索をしてみると、「この受賞が不幸にならないように」という彼の受賞の言葉が載っていた。彼は、わたしが近大に勤務していたときの一応教え子ということになるが、教えたという実感がない。一年生の時からすでに、短いものだったけれどかなり高度な戯曲を書いていたし、わたしの担当科目のひとつであった「文章表現」でも、隔週ごとに千字程度の文章を提出させていたのだが、毎度毎度、まことに刮目すべきものを提出して、途中から、彼のものには、他の学生たちより2ランクくらい高いところに基準をおいて採点したものだ。卒業後の彼の仕事についてはほとんど知らないが、在学中に彼が書いた戯曲は、すべて上級の出来上がりを示していて、そんな作家は、いわゆるプロの作家にもわたしが知る限り何人もいないから、今回の受賞は遅すぎたのではないかと思う。おそらく、彼はこれまでにもこの戯曲賞に応募しているはずで、にもかかわらず、一度も最終選考にさえ残っていない。あえて言わずもがなのことを書くが、一次選考を担当する人々は、自らの不明を恥じ入るべきだと思う。という話はともかく。彼が主宰する匿名劇壇には、何年か前に「日本の劇 戯曲賞」を受賞した芝原さんもいるから、凄いことになったものだ。

先週から気持ちが浮ついている。身辺に幾つか心配事があるからだが、明後日の日曜に、POGのわたしの持ち馬である「スーちゃん」が、2歳馬のNO.1を決めるレース、朝日杯フューチュリティSに出走することも、心配事のひとつ。一ヶ月くらい前までは、ミス・エリテだと思っていたので、「エリー」という愛称で呼んでいたが、実はミ・スエルテが正解で、イタリア語で「わたしの幸運」という意味らしい。「ミ」は、英語のmyなのだろう。なので、いまは「スーちゃん」と呼んでいる。今度の日曜日に2歳牝馬NO.1を決めるレースがあり、朝日杯FSの出走馬18頭のうち、牝馬はスーちゃんともう一頭のみ。このもう一頭はビーカーリーというのだが、彼女の母親の名前が「メデタイメデタイ」という。この2頭の名が重なる意味を持つのもおかしいが、スーちゃんは間違いなく一番人気になるはずで、一方、ビーちゃんは間違いなく最低人気だろう。わたしは判官贔屓というより、穴狙い専門だから、ビーちゃんの馬券もきっと買ってしまうだろうし、スーちゃんの馬券は、わたしが買うと外れるような気がするから買わないかもしれない。馬券が外れてもスーちゃんが勝てばそれでいいのだ。

 

 

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