前略 ショーケン様2017.07.21
昨日、梅雨明けが宣言されました。これからなお一層の暑い日々になるとのこと。キツイです。いや、暑さがではなく、なにもヤル気の出ないのが。今日は午前中、久しぶりに東寺まで散歩に出かけました。ハスの花の具合を見に行ったのですが、係のひとの話では、もっと朝早くでないと見事な咲きっぷりは見られないとのこと。がっかり。帰りはいつもとは別の道を行ったら、なんと、その名だけは知っていた「DX東寺」に出くわしました。有名なストリップ劇場です。まさかこんなところにあろうとは! ストリップ劇場と言えば、
昔、多分、大学に入って間もない頃だと思いますが。ウスーい関わりのあった新左翼のセクトのひとから、(埼玉の)大宮で国鉄のストライキがあるからその応援に行くようにと言われ。その頃わたしは、大宮から二つ目の与野駅近くに住んでいたので、分かりましたと答え。警官隊との衝突があるとも聞かされたので、早朝、もしも死んだら恥ずかしくないよう、部屋の片づけを入念にして出かけたのですが、その頃からわたしは方向音痴で、集合場所がなかなか分からず、それに加えて、集合時間が迫ってくるのに比例して怖さがどんどんつのってきて、逃げ出したくなった、そんな時に、ストリップ劇場のポスターが目に入り、吸い寄せられるようにその劇場へ。ストライキからストリップへとワープ(?)したのでした。恥ずかしいけど笑える思い出です。
時間は10時を少し回ったところ。DX東寺の開演時間は11時半とあったので、見るのは次の機会にと諦め、帰路につくことに。途中で京都駅構内にある本屋で立ち読み。そこで「ああ、やっぱり …」という哀しい事実を知りました。村上春樹の小説「騎士団長殺し」、今年2月の発売時は例によって例のごとく大変な騒ぎでしたが、な、なんと本屋に置かれてあったのは、あれから四か月経っているのに、まだ初版本! 又吉の新刊「劇場」も同じく初版本。もちろん、初版としてどれだけ刷られたのかは知りませんが、早い話、出版社が予想したほど、マスコミが騒いだほどにはどちらも売れなかったと、こういうことです。恐ろしい。
ここに来ての多発する自然災害も怖いのですが、こういう大山鳴動して鼠一匹と形容したくなるような、社会全体の上っ調子がわたしは怖いのです。一時期、連日のようにニュースのトップを飾っていた、将棋の藤井四段の連勝をめぐる報道、世間のひとのほとんどは将棋になんぞほとんど興味などないはずなのに、なんだったんでしょう、あの狂態は。もちろん、都知事選の結果も、森友・加計をめぐる<問題>も、誰がいい悪いではなく、騒ぎ方が度を越えている、わたしにはそんな気がするのです。
という昨今。目下のわたしの最大の楽しみは、いまCSの日本映画チャンネルで放映されている、あなたが主役のTVドラマ「前略 おふくろ様」なのです。倉本聰のシナリオにも「さすが」と感心しているのですが、やはり、ショウケンさん、あなたの演技が。だって、ナレーションを除けば、「いや~」「だって、それは~」「それはないスよ」といったような、ほとんど無内容な台詞しかないわけで。そんな無口な若者をあなたのように雄弁に演じられる俳優が、あなた以外に誰がいるかと考えると …。(以下、続く)