捨ててこそ浮かぶ瀬もあろうというのに …2018.09.03
大型の台風が本土に迫っているというのに、TVのワイドショーはま~だ飽きずに体操界の揉め事に多くの時間を費やしている。どう考えても狂ってる。パワハラ・セクハラというと、確かに見捨ててはおけぬ、決して小さな問題ではないが、アマレスに端を発した一連のスポーツ界騒動、いずれもマイナースポーツで(注)、だからこそ、権力を握った者が長く長く君臨し、組織員はたとえ違和を感じても、それを止めようと声を出すことが難しかったのだ。しかし、まだ真偽のほどは不明であるにも関わらず、マスコミもそして世間のミーハーも、組織のトップを悪玉として非難の血祭を繰り返しているが、組織を構成する全員が小さな狭い世界に閉じ籠り、外部の声を注入しなかったからこそ生じた問題なのだ。まさにコップの中の嵐。組織そのものにこそ問題がある。早い話、ある年齢、あるいは任期に達したら、トップはその座から退くように決めておけば、今回の問題など起こらなかったのではないか。だからこそ、任期を連続二期六年と決めていた総裁任期を、三期九年に改訂する案にほとんど誰も異を唱えなかった自民党(員)は、最低なのだ。トップが変わらなければ組織が汚れるのは今も昔も変わらない。そんな自民党の選挙圧勝が続くのは、選挙民の愚かしさゆえというより、この国に限らず、大多数のひとは、なんのかのと口では言っても、いざとなると現状の大きな変化を嫌う性癖の持ち主であるし、さらに言えば、投票したい、応援したいと思わせるような、秀でた知性・品性の持ち主が政治家を目指さないという、当然と言えば当然の現状もそうさせている。そこまで現在の政界は、与野党を問わず、腐りきっているのだ。
なんでそんなにトップの座に居座り続けたいのか、それがわたしには分からない。やりたい放題が出来るから? いやいや、それにはオリンピックの金メダルを何個とったか等の結果が求められるわけで。それ鬱陶しくないの? そんな手枷足枷の金看板なんかさっさと放り出して、自分の好きなことをやればいいのに。ないのかな? 他になにも。幸か不幸か、わたしはそんな金看板など背負ったことはないが、でも、好きな時に本が読め、映画が観られ、旅行にも行ける、大学を定年で辞めてからのこの数年のおおむねは、喜ばしき日々の連続である。
奥さんからのきついお達しがあって、目下タバコはベランダでしか喫えないことになっているのだが、その制限もまた良し。夜空を見上げながらタバコを喫って過ごす数分は、まさに至上の時。一ヶ月ほど前だったか。あの星はなに? と書いたそれは、地球に接近している火星であったと、まあ、無知をさらけ出してしまったが、そう、ウン十年も見たことがなかった夜空をボーと見上げていても、なにも問題が生じないというのは、なんとも幸せで。昔は、原稿の締切りを大幅にオーバーして、もう死のうかとさえ思ったこともあったが、そんなこと、もうないものなあ。
注)日本がオリンピック等で多くの金メダルを獲得している、レスリングや体操を「マイナースポーツ」と呼ぶのに違和を持った方々へ。メジャースポーツは、世界各国に多くの選手がいる、陸上競技やサッカーで、他の殆どはみなマイナーとするのが、わたしの規定です。先に挙げたマイナー2競技もそうですが、ボクシングやアメフト、あるいは、スケートやスキーなんて、ほとんどの高校にはそんなクラブ、ないんじゃないですか? 因みに、ウィキ調べでは、世界の野球人口は3500万で、サッカー人口はなんと2億4千万だとか。だから、2週間ほど前にみんなが大騒ぎしていた高校野球も、世界的見地に立てば、所詮マイナーなのです。