竹内銃一郎のキノG語録

竹内が変なのか? 「高校生文芸大賞」の審査にて2010.10.19

一昨年からわたしが勤務する大学が、毎日新聞との共催で「高校生文芸大賞」というのをやっている。今年は400編ほどの応募があって、専攻の委員になった先生が、最終候補作を選ぶまでの、いわゆる下読みをするわけです。なんだかんだで結局、ひとり40本くらい読むことになるのかな。短編だし、面白ければさほどの苦労でもないのですが、残念ながら大半は、「はあ?」というようなもので ……。

ま、それはそれとして。
今日はその二次選考があり、わたしのグループが読むことになった10本の中に、3年委員をやって初めて、これはよい! と思ったのが1本あったわけです。他の9本とは、競馬で言えば、ぶっちぎり。モノが違うと、わたしはそう思ったのですが、なんとなんと。他の委員の幾人かの方々は、「グループで推薦する3本に残してもいいんですが ……」と、実に控えめな賛同しかなく。
ま、わたしの場合、こんなことはいつものことなのですが。近い例で言えば、去年、わたしが審査員を務めた高校演劇の近畿大会で、実に刺激的な芝居を見たわけです。

神戸高校の「sisters」。当然のように近畿代表に選ばれて、今年の夏の全国大会に出場した、と。わたしは、これまた当然のように全国1位になるものと確信していて、3位までに入ると国立劇場でもう一度上演し、それがBSで放映されることになっているので、録画しようとてぐすね引いて待っていたら、なんとなんと、1位はおろか3位までにも入れなかった、と。本番当日の出来がどうだったのかが分からないので、断定的なことは言えないのですが、テレビで見た上位3校のものはさほどのものとも思えず。な~んか釈然としないな、と。
単に好き嫌いじゃないんです、わたしが言っているのは。今日だって、他の委員が推した作品を、いや、こういうところはいい加減でしょとわたしが言うと、確かにそれは、モゴモゴ…となるわけで。うん? 年長のわたしに遠慮した?
自分では、竹内さん、そんなに変わってるとも思えないんですが、そこんとこ、どうなんでしょ?

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