竹内銃一郎のキノG語録

さようなら、西田くん🥲2024.10.20

数日前に亡くなった西田敏行はわたしと同年で、11月生まれだから、わたしより約一か月遅生まれ。特別好きな俳優というわけでもなかったが、彼が主役を演じた「淋しいのはお前だけじゃない」は、今から40年以上前のTVドラマだが、いまだに記憶に残る名作である。
というのは真っ赤な嘘で😝、このドラマが好きだったことに嘘偽りはないのだが、タイトル名の記憶がなく、本作のシナリオを書いた市川森一の名も、TVドラマの演出家としてはもっとも好きだった高橋一郎の名もPCで調べて、「そうだそうだ、ともに上級の作り手だった🤩」、とさっき思い出したのである。

一昨日の金曜日、前述した「淋しいのは~」のビデオが本棚にあるのを見つけ、まずは初回分を見る。毎回、芝居のタイトルが副題となっていて、本編のタイトルは「一本刀土俵入り」。冒頭の数分間、この劇の最終シーンが西田敏行等の出演者たちによって演じられる。
前述のシーンが終わると、<貸金取り>を仕事としている西田が、金銭取りのためにあちこちへ奔走。サラリーマンらしい河原崎長一郎を追いかけ回し、走る電車内を逃げ回る矢崎滋を追い詰め、寝たきりで無対応の夫を持つ萬田久子を励まし、等々があって終盤、高利貸し(?)の財津一郎の命令で、電車に乗り、車に乗って、群馬の四方温泉にある演芸場に出かける。
劇場内に入ると、客席に木の実ナナがいて、舞台上では、梅沢冨美男が踊っていて、このふたりが借金取り立ての相手である。ナナは財津のオンナだったのだが、彼女は彼を捨て梅沢と駆け落ちしたのである。舞台終了後、西田はふたりが借りている宿屋の一室へ。そこで西田は、駆け落ちしたふたりから、涙が止まらなくなるように切ない話を聞き、ふたりを財津から逃げさせるべく、人肌脱ぐことにするのだが …

とまあ、このドラマの大筋はこんな話だが、とにかく他のTVドラマではあまり見たことがないような、驚くべきカットが次から次と繰り出され、わたしは呼吸をする暇もなく …😮、というのは言い過ぎですが、とにかく秀逸至極の作品なんですよ、これは。西田の芝居は他にあんまり見てない、というか、見てるけど記憶にないのかも知れないが、この作品の泣く・怒る・笑う等々の演技がいいんだなあ。これは必見😀!

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