竹内銃一郎のキノG語録

竹内USJ初見参報告2015.03.27

25日、甲野さん来宅。甲野さんは、前世紀終わり(!)、自宅でやっていた戯曲講座の受講生。講座は一年だったが、その翌年に埼玉芸術劇場から全国の公共ホール・スタッフの講習会用に芝居を作ってほしいとの依頼あり。それに応えて、作品のタイトルは「21世紀グリム」、内容はグリム童話をもとにした短編集、台本は戯曲講座の受講生諸君が書き、わたしは構成・演出を担当でどうかと提案。OKということになって、それで都合3年4回の公演をしたのだった。アーカイヴに掲載されているチラシには、台本・ボーボーズとあって、甲野さんはそのボーボーズ・メンバーのひとり。彼女は当時大学生で卒業後一般企業に就職。多分その後に一度も会うことはなかったはずだから、今回は久しぶりの再会。懐かしく、また、わざわざ京都まで足を運んでくれたのも嬉しかったが、なにより、元気に活躍していることが確認出来て、それが最大の喜び。よかった。

26日は、武田さんに誘われて、チーム・タケダのメンバー5人とUSJへ。朝の8時に集合し夜の8時頃までいたから半日12時間。初USJの感想。疲れた。ひとの多さにも疲れたし、待ち時間が長いのも疲れたし、出し物が想定していたクオリティより低いのにも疲れた。こんな書き方をしたらUSJファンの反感を買うこと必至だが、所詮子ども向けだな、と。進行役を務める若い諸君の芸(?)の粗さがまた二流以下で。しかし。

7200円という入場料を考えると、そして、この料金は、今どきの芝居のそれよりも安めであることを考え合わせれば、まあまあそんなに高い買い物でもないか、この料金ならこの程度のものでも仕方ないか、とも。こういうモノに多くのひとが押し寄せるのは、様々な出し物自体に高い満足度を求めるというより、多分、家族・友人・恋人たちとこういう場所で半日を一緒に過ごすということが楽しいからだ。それ以上のことを求めることがそもそも考え違いということだろう。しかし。

そこで起こるすべての出来事は、事前にお膳立てされていて、当然のことながら想定外のことは起こりえず、そのことが、スポーツ観戦等に比べたら、「ワクワク感」イマイチとわたしは思ってしまう。結論。わたしのような注文の多い爺が楽しめる場所ではなかった。でも、貴重な社会見学をさせていただいたと考えれば、まずまず満足はしたのかな、と。チーム・タケダの諸君に感謝!

さあ、明日は競馬。こっちは、なにがどう転ぶか分からない「ワクワク感(時には茫然自失状態)」がずっと続き、知力を尽くす喜びもあり、おまけに、たまには(ごくごくたまに)お金も儲かるのだから、娯楽という観点から見ても、USJなど比ではないのだ。趣味の違いと言えばそれまでですが。

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