竹内銃一郎のキノG語録

ボーズの祈り2018.09.06

先月、散歩の途中たまたま入った散髪屋さんがとても気に入り、約一か月後の今日、午前中に同店に出かける。なにがいいと言って、仕上がりの良さもさることながら、とにかく髪を切るハサミが刻むリズムのなんと気持ちのいいこと! シャキシャキシャキシャキ。まるでジャズ。一分一秒でも長く聞いていたいという思いが、ほとんどボーズ頭に近い仕上がりへと導いてしまった。もちろん、それでOK。70年生きてきて、こんな腕利き散髪職人さんは初めてだ。といって、せいぜい10人+αしか知らないのだが。年齢は40代半ばから50前後? 口髭を生やしていて、格好はいかにも遊び人風だが、口の利き方も仕事の進め方もとにかく丁寧。おまけに、多分アマチュアだと思うけれど、自転車競技に精を出しているというのだからカッコよすぎる。店内には数本のギターも! 散髪屋に行くのが楽しみになるなんて夢にも思わなかった。ああ、長生きしてよかった。

という話を枕に、こんなことを書くのは不謹慎が過ぎると思われるかもしれないが。今朝、TVを点けて途端に飛び込んできた、北海道の地震のニュースにびっくり。全道が停電になってしまうなんて、そんなのアリ?! それにもまして驚いたのは、震源地近くの厚真町の山々の遠景。最初は、緑と茶が縞模様になっていて、綺麗だなあなんて思っていたら、緑一色だった山が土砂崩れで、ズル剥け状態にされてしまったのだ。京都の有名寺社もあちこちで大きな被害を被っている。先日の台風も凄かった。小学生の時の伊勢湾台風以来か。窓ガラスがガタガタ鳴って怖いのなんの。これまで繰り返し打ち続く自然の脅威について書いてきたが、まさしくこれは天罰ではないかと思わざるを得ない。猛暑・地震・豪雨・強風、いや、脅風と書くべきか。この連続はどう考えてもフツーじゃない。

せっかく坊主頭(風)になったのだ。これ以上のことが起こらぬよう、世の安寧を祈らねば。

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