竹内銃一郎のキノG語録

猪突萌進2019.01.04

昨日夕方、熊本で震度6の地震。新年早々またドエライことが …と思ったが、その後、被害状況を伝えるニュースがない。震度6と言えば、去年6月の北大阪地震と同規模である。ほんとに棚からモノが落ちた程度の被害しかなかったのだろうか? それならそれで結構な話なのだが …。

新年明けましておめでとうございます。亥年はわたしの干支である。生まれた年から数えて今年で7回目。前回は還暦ということで、東京で若い知人・友人たちがお祝いをしてくれた。その時には、もう次の亥年を迎えることはあるまいと自分では思っていたのだが、おお、まだ生きてる!

というようなことと基本的にはなんの関係もないのだが、今年から本格的に演劇活動を再開することに決めた。一昨年の10月から昨年の5月まで、「竹内銃一郎集成」と銘打って、わたしの過去の作品のダイジェスト版をリーディング+αという形で上演したが、今年から3~5年かけて、計7本の作品を上演する予定だ。とりあえずこれで、わたしの演劇活動にケリをつけようと思っているのだが。先のことは分からない。途中でお亡くなりになるかもしれないし …(南無阿弥陀仏)。第一作だけは決まっている。今年10月に、「竹内集成」でも取り上げ、「独演会」でもやった「今は昔、栄養映画館」を上演する。竹内出演! あと数年で幕を下ろすのだから、これまでやったことのないことをしたい、と思ったのだ。これまで俳優として舞台に出たことは何度かある。斜光社の旗揚げ作品「少年巨人」から3作、HIHO2の旗揚げ作品「いとこ同志」、それから柄本劇団の「陥没」と、ああ、まだあった。友人の小澤さんに誘われて出演した、鼓家の野外公演(タイトル失念)。そうそう。この時は、雑誌「新劇」に掲載された劇評で、わたしの演技が褒められたんだよなあ。去年の「竹内集成」「独演会」は、まあ、いわゆる「お芝居」とは若干違っていたので、あれらを除くと、舞台出演は20数年ぶりになるのだろうか。鼓家の公演からだと40数年⁉ ちゃんと台詞が覚えられる? それが最大の不安だが、まあ、「為せば成る」でしょ。

年末からこの三が日にかけて、TVでは例年の如く、これでもかとばかりお笑い番組が放映されている。どの番組にも20組前後の漫才やらコントやらの出演があるが、面白いと思うのはその中の三分の一くらいで、あとはクスリとも出来ず。でも、なるべく我慢してすべてを見てやろうと実行しているのは、「今は昔、~」がふたり芝居だからである。なにか参考になれば、ということで。改めてこれこそ演技の指針の最重要事項だと確認したのは、ことばを交わしあうふたりの物理的な距離の取り方と、それに伴う台詞の音量である。M1に出場したギャロップが複数の番組に出ていたが、これはなかなかと感心する。時に応じて、距離を変え音量を変え、彼らの選択は適格なのだ。そして、わたしの大好きなザ・ぼんち。一見、勢いに任せてやっているようだが、そうではない。日常的な穏やかな会話から、激昂を伴った対立、ツッコミのまさとの冷静な諭し、ボケのおさむちゃんの大ぼけ連発と、ふたりのことばの色合いが瞬時にくるくると変わるのだ。彼らをお手本として、精進精進、猪突萌進。

猛進ではなく萌進。萌え萌えジグザグしながら進むわたしです。本年も変わらずお付き合いのほど、よろしくお願い致します。

 

 

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