竹内銃一郎のキノG語録

熊本公演を終えて一服してたら、謎が解けました。2019.10.22

熊本公演、無事終了。想定以上の集客、そして客席からの反応も上々で。昨日の夜、家に帰ってベランダで4日ぶりの喫煙。フー。かと言って、それに満足したわけではない。数回前に、こんなに長くわたしが芝居を続けてるなんて、いったいどうなっているのか? などと書いたが、タバコを吸いながら、ああ、こういうことかとその答えが見つかった。要するに、自作への不満足がここまで芝居を続けさせたのだ。

これでよしと思ったことなど一度もない。初日の舞台を見るたびにいつも、あそこはああすればよかった、あのシーンは長すぎた、あの台詞は短すぎた、等々の後悔の念が湧きあがってきて …。もちろん、今回の大阪・熊本公演のように、多忙な時間を割いて、遠路はるばるやって来てくれた少なからずの観客諸兄の励まし・支えも大きな力となったはずだが、なにより、もう少し自分は出来るはずだという<自分への期待感>が絶えることがなかったことこそが、わたしをここまで引っ張って来た最大要因なのだ、多分。これこそわたしの最高傑作、これ以上の作品など逆立ちしたって出来っこないと思ったら、その時点でやめていたはずだ。そうだ、これまでも取材のたびに、「自分の代表作は次回作」と言ってきたのだ。ああ、過大とも思える自分への期待感!

今週末の名古屋公演で今回の「哄笑と感傷が木霊する」二本立て公演は終わる。さあ、最後のひと踏ん張りだ。多分、もう二度とありません。お見逃しの方々、ぜひご来場を。

 

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