竹内銃一郎のキノG語録

その新鮮さに驚く 「ストレンジャー・ザン・パラダイス」2012.01.18

久しぶりにジム・ジャームッシュの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」を見る。
日本で公開されたのは、多分80年代半ばのはずだから、もう四半世紀ほど前に作られたのに、いまさっき作られたばかりかと思うほどの新鮮さ。これには驚いた。
ハンガリーから20代前半と思われる女性がアメリカにやって来る。クリーブランドに住むおばの家に厄介になるつもりが、そのおばが病気で、10日間ほど、ニューヨークに住むいとこ(男)の家に仮住まいすることになる。
この男、なにをして生計を立てているのかよく分からない。ポーカーで素人風の男たちからお金を巻き上げるシーンがあるから、まあ、遊び人なんだろう。毎日ブラブラしている。ブラブラは「男はつらいよ」の主人公と同じだが、寅と違ってこの男、ほとんど部屋から出ない、というか、部屋から出たシーンは皆無。
思い出した。わたしは若いころ(20代)、ほんとになんにもしないでブラブラしていたから、居候先の姉の子供たちから「ぶらぶらおじさん」と呼ばれていたのだった。
それはさておき。男はいとこのことを最初は面倒臭がっていたが、少しづつふたりの関係はほぐれていき、彼女がクリーブランドに発つ夜、ブラウスをプレゼントする。いかにもダサイブラウス。男はどうもそれを可愛いと思ってるようだが。女は一応それを着てみせるが、部屋を出たあと、脱いでそれをゴミ箱に捨てる。
男と彼のブラブラ友だちは
(おっと、お客が来てしまった。この続きはまた明日)

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