ほんも出します2012.10.04
初日が迫ってきた。のに、その実感が希薄なのは何故だろう?
ひとつには、稽古時間の問題があるかもしれない。これまでのドラボ公演の稽古は夏休み・春休みにやっていて、だから長い稽古時間をとれたのに、今回はそれが叶わず、もうひとつキリキリした感じになれないのだ。
もうひとつ。今回の芝居は、舞台上にふたりしかいない場面が多く、演出が比較的容易だから、とも考えられる。
やはり、5人6人と舞台上にひとがいると、それをどう動かしたらいいのか、ひとが多ければそれだけ動きのパターンが増えるので、「計算」が面倒になるのだ。
いざ本番が始まってしまえば、こちらの胎も座るのだが、いまくらいの時期がいちばん不安だ。本当にこれでいいの? と、出来上がってくればくるほど不安がつのるのである。
上演時間は97~8分。100分程度にしたいと思っていたからほぼ予定通り。
これまでも書いてきたが、多くの芝居の上演時間は長すぎる。
なぜ長くなってしまうかというと、出演者に見せ場をと作り手がサービスをするからだ。
わたしだって俳優へのサービスは今回も考えていますけどね。程度問題。
以前にも書いたように、ウイングフィールドでの公演は、座席のことを考えると100分が限度だと思う。
公演中は受付で、今回の台本を販売します。今までは無料で差し上げてたり、ブログで読めるようにしてましたが、お金いただきます。
わたしが本を初めて出したのは、79年だか80年だか。当時は日本も出版界も景気がよくて、戯曲集もバンバン出てました。え、あんなヤツの戯曲が単行本で? みたいな感じで。でも、バブル崩壊以後、見事に戯曲集などほとんど出なくなり。
わたしの戯曲集が而立書房から4巻まで出ていて、5巻も、中に入れる戯曲の手直しをわたしがすればすぐにも出る手はずになっていたのですが、その作業が遅々として進まず、そうこうしているうちに、これはわたしの勝手な推測ですが、出版社にわたしの戯曲集なんか出す余裕ある? みたいな感じになって、こっちから出して下さいと言いにくくなり …ということで、5巻以降が出てないという状態。
書き下ろしの戯曲は、野田秀樹のものなど文芸誌に掲載されたりしますが、それは例外で、目下のところ、「テアトロ」「悲劇喜劇」という演劇雑誌にしか掲載されません。
でも、その二誌に掲載されたところで、いったいどれだけのひとの目に自分の戯曲が読まれるだろうかと考えると、なんだか切なくなって(二誌あわせても実売2千はいってないはず。もちろん推定)、これだったら劇団のブログで読んでもらった方がと考えてたわけですが。
よくよく考えると、自分もそうですが、年寄りはブログなんか見ないなということに最近気づき、というか、武田さんから、少なくとも関西にはそれなりの数の竹内ファンがいて、だけどみんな若くはないが …という話を聞いて、じゃ、本にして売って、打ち上げの費用の足しにしようと、こういうことになりました。
劇場に来られない方にも、申し込んでいただければお送りしますが、もちろん、定価500円に郵送費もお支払いいただきます。
かなりの傑作と自負するお芝居へのご来場と、それから、こちらの本の方もよろしくお願いします。