竹内銃一郎のキノG語録

平和のシンボル、金魚が泳ぐ城下町2015.07.30

連日の暑さ。夜も暑くて熟睡できず、朝は6時頃に目が覚める。外に出るとさすがに涼しく、久しぶりに公園に出かける。血尿騒動以来、暑いこともあってこの一ヵ月半ほどまったく走っていない。いつもの基本メニューをこなせるかどうか試してみる。100メートルを28秒で走って、折り返しの100メートルを55~8秒で歩く。これを10回繰り返すのが基本メニューだ。調子のいい時は、このあと、500メートル走を2本、100メートル走を5本とか。しかし。やはり一ヵ月半のブランクはあまりに長く、100走は30秒が切れず、このヤローとばかり6本目はスピードを上げて28秒で走ったところでギブアップ。ダメじゃ~。

お昼過ぎ。昨日、我が家に来てくれた松本くんが、最近行ったと話していた薬師寺に、わたしも行こうと思い立ち、久しぶりに近鉄電車に乗って出かける。が、奈良県に入ったあたりから雨が降り出し、薬師寺の最寄り駅である西ノ京に着くころには土砂降りに。こりゃダメだと、雨が止むまで電車でどこまでも行こうと決める。郡山を過ぎたあたりで雨が止み、そこから二つ三つ先の、田原本駅で下車。「本」とあるから、なにかあるかと思いきや。ぶらぶらと20分くらい歩いたが、古いお寺のほかにはな~んにもなし。駅前の小さな商店街。シャッターが下りてる店が目立つ。哀し過ぎるので、駅に戻って、薬師寺に行こうと電車に乗ったらまた雨が! なんてこったパンナコッタ。近鉄郡山で降りて、雨宿りにと、駅からほど近くにあったモスバーガーに入って、持参していた山口昌男の「学問の春」(平凡社新書)を読んでいると、30分後くらいか、雨が上がったのを確認して、外に出る。これという目的もなくぶらぶら歩き。なんという贅沢な時間の過ごし方でしょう。少し行くと、「日本三大稲荷 源九郎狐稲荷神社」という看板が。三大稲荷のあと二つは、豊川稲荷と伏見稲荷かな? とすると、ここを参拝すれば三大稲荷制覇じゃないかと思って出かけてみれば、な、なんとこれがスッゴイ小ぶりで! 伏見の一万分の一くらい? 観光客なんてだ~れもおらんし。笑ってしまった。ここへ行く途中に、木造・格子作りの三階建ての立派な建物があり。あれはなんだろうと、さっきウィキで調べたら、あそこら辺一帯は、昔は遊郭が立ち並んでいて、その三階建ては、名のある遊郭だった由。なるほど。言われてみれば確かに、その種の怪しい、悪場所の匂いが漂っておりました。そこから、昔の濠沿いに駅に向かって歩いていくと、あれは市役所だったのか、庁舎の上方に、今回のタイトルの文字が大きく掲げてあった。そう、大和郡山と言えば金魚です。

金魚と言うと、もうずいぶん昔に亡くなった父のことを思い出します。家の庭に池があり、そこで金魚を飼っていたのですが、父は夕食後いつも、その日捕まえた蝿を金魚たちに与えていたのです。その嬉しそうな寂しそうな後姿が …。そうか、蝿がいたってことは …。ちょっと笑ってしまう夏の思い出。

 

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