観音菩薩像の励まし。 奈良国立博物館の「白鳳」に出かける2015.08.04
奈良国立博物館の「開館120年記念特別展 白鳳」に出かける。奈良に来たのは今日で三度目だが、東大寺以外行ったことがなかった。まず、興福寺に行って、春日大社、国立博物館、最後に東大寺、というルート。
初めて見る興福寺の五重塔。五つの屋根のそり具合がなんとも力強く美しい。感動させていただいたお礼に、瓦代金壱千円也をご寄進。それから春日大社へ行ったのだが、大社というだけあってハンパネー敷地の広さ。一の鳥居から本殿にたどり着くまで参道を歩くこと20分の余! ここでもご寄進金壱千円也。広いところをそぞろ歩いていると、こちらの心も広くなるというものだ。
そして、白鳳! 自慢じゃないがわたしは無粋な人間で、仏像なんぞになんの興味もなかったのだが、昨日、TVのスポットCMで、薬師寺の月光菩薩像(多分)を見て、とにかくそのあまりの美しさ、神々しさに驚き、これは行かずばなるまいと思ったのだった。坐像立像あわせて70~80もあったか。同じ観音菩薩像でも、当然のことながら皆お顔が違う。妙に間が抜けたもの、色っぽいもの、可愛いもの等々。中でもわたしが一番心惹かれたのが、兵庫の鶴林寺所蔵の観音菩薩立像。この顔はどこかで見たことがと思ったがすぐには思い出せず、帰りの車中でやっと思い出した。錦ちゃんが主演した、わたしのもっとも好きな映画「関の弥太っぺ」に出てくる、おさよの子ども時代を演じた、女の子の顔にそっくりだったのだ。
三度目の東大寺。初めて来たのは、多分、高校生の時。親戚一同貸し切りバスでやって来たのだったのだったが、何故かそれを長い間ずっと忘れていた。あれはいつ頃だったか。時々夢に、白壁が剥がれたような長い塀が出てきて、これはなんだろうと不思議に思っていたのだったが、90年代の初め、「東京大仏心中」を書くための取材で来た時、東大寺から少し外れた脇道に夢に出てきた塀があって、ああこれかと謎が解け、そして、以前にここへ来たことがあったのを思い出したのだった。東大寺といえばもちろん大仏なのだが、それよりも、南大門の金剛力士像が必見だ。進撃の巨人などひと捻りしてしまいそうな、圧倒的な迫力! スゲーと思わず声が出た。
やはり外人観光客が圧倒的に多い。日本人約2割。8割の外人のうち、中国・韓国人が7割。不思議なことに黒人はひとりも見かけず。何故だろう?
家を出たのが朝の9時前で、帰って来たのが4時過ぎ。途中休憩もしたが、ほぼ5時間、この炎天下を歩いていたことになる。スゲー。いや、あれもこれも観音菩薩様の励ましあったればこそ。ありがたやありがたや。