岩松さんの「不道徳教室」を見る。2013.06.20
何回か前に触れた映画の題名を間違えてました、また!!
「フィッシュストック」ではなく、「フィッシュタンク」です。ストックとタンク。似てるっちゃ似てますけど。
その時に退屈だと書いた映画「ヒミズ」。でも、唯一例外というか、これはイイかも? と思った女優さん、二階堂ふみが出演した岩松さんの「不道徳教室」を見る。
期待に違わずといった感じで目を見張った。というか、彼女が舞台上にいる時はずっと彼女を追いかけていた。それこそストーカーみたいに。物語の軸になっているのが、実は女子高生と彼女をストーカーしている高校教師なのですが。
ま、そんな不埒な行為をしたくなるのも無理ないさ、と納得させるのに十分な可愛さ。いや、可愛いだけなら、今時腐るほどそんな女優さんはいるわけで。
舞台女優の良し悪しは、結局、立ち姿と声で決まるわけですが、彼女はどっちもハナマル。とりわけ声に素晴らしく力がある。AKBの大半にいらっとするのは、あの甘ったるい声のせいですが、彼女らの声と対極にある声と言えば想像が出来るだろうか。蒼井優の声にも驚いたが彼女に匹敵する素晴らしい声の持ち主。更に。実際のところはよく分からないけれど、演出家・岩松さんの要求にそのまま素直に従ってやってるわけじゃないな、と思った。分からないところ、妥当だとは思えない要求は平気でスルーしてやってるのではないかと。若いのに大物感たっぷり。もちろん初々しさもあって、とりあえず言うことがない。率直に言って、相手役の大森南朋に力がなく、彼女の力量がフル回転されないもどかしささえあった。
でも、以前に石原さとみについても書いたが、潜在能力の高い俳優ほど、結果的に恵まれないのが日本の現実の環境で。石原さとみの代表作ってなに? といわれても、誰にも答えられないんじゃないか。多分、当人も。あんなにデキル女優さん、そんなにいないのに。
二階堂ふみ。テレビサイズでは間に合わない豊かな才能。開花した姿を観たいのだけれど ……