中島美嘉の衝撃、今更ですが。2016.01.18
土日と友遠方より来たる。ま、遠方というのは言葉の綾ですが。連日のアルコール。わたしはひとりで酒を飲むことはまずない。70年近く生きてきて多分、片手で足りる回数のはず。なので貰い物のお酒が溜まるばかりでなかなか減らない。昨日みんなで飲んだワインは、2002年だか3年だかとラベルにあったから、10年以上冷蔵庫の奥で眠っていたもの。よかったあ。
みなが帰ったあと、録画しておいた「中島みゆき名曲集」を見る。「歌縁」というタイトルで催された、中島みゆきが作った歌を何人かの歌手たちが歌うというコンサーと、みゆきさん自身が歌う歌をミックスし編集したもの。さほどの期待があったわけではないが、中島美嘉が歌う「命の別名」に衝撃を受ける。
中島美嘉というひとについては、顔や名前は知ってますけどという程度の知識しかなく、いや、多分彼女がデヴューして間もない頃だったはずだから、ずいぶん昔の話だが、「徹子の部屋」に出たときに、徹子さん相手にタメ口で喋っているので、この子大丈夫かなと思い、すぐに消えてなくなるひとだろうと、その時は思ったのだったが。なんとなんと大変な歌唱力の持ち主であることを今回知って、だから二重の衝撃を受けてしまって。
みゆきさんの歌のほとんどすべては、孤独や不安を抱え挫けそうになっているひとに寄り添い励ますメッセージソングだが、中島美嘉が歌う「命の別名」は原曲(?)とは歌の色合いが微妙に違う。彼女のことを知っているひとはなにを今更と思うだろうが、その歌い方が独特で。からだをふたつに折り曲げ、観客の方に乗り出すようにして、そんな、とても声なんか出ないでしょという、奇妙な(というしかない)姿勢・からだから、凄いヴォリュームの声を絞り出すのだ。妖気がただよい、鬼気迫る歌。誰かに寄り添うというより、それは彼女自身の痛切な告白のよう。今年に入って毎日の日課のように「映像の世紀」を見ているのだが、そこで映し出されていたおびただしい数の死体・白骨や泣き叫ぶ子供たちと、彼女の歌声と歌う姿が重なった。四回五回と繰り返し聴いても刺激と興奮は冷めやらず、彼女の他の歌はどうかとユーチューブで4、5曲聴いた。ただものではない歌唱力! とは思ったが、どれもただ感傷的なだけで、持てる力が全開してないの感。残念なり。