竹内銃一郎のキノG語録

Jクラブ(仮称)始動、準備着々。2017.05.28

ああ、あ。今年もため息とともに終わった日本ダービー。パドック診断でわたしが挙げた5頭のうち3頭が5着に入着したのだが(ヨッ、パドック名人!)、勝ったレイデオロ、馬体は上々だったけれど入れ込んでいたのでパスしたら …(泣く)。競馬は、というより、馬の良し悪しを測るのは難しい。われらがPOGの今年のわたしのドラ1だったサトノアーサー、めでたくダービーに出走、当然期待していたのだが、パドックを見てガックリ、有力他馬に比べると明らかに走る筋肉が足りず。デヴュー戦を勝ち上がった他のマイホース同様、そこからの成長がなく、というか、みんな走るたびに元気がなくなっていって …。ミスエルテなんてデヴューから2連勝した時は、こりゃディープ(インパクト)の再来だあ! と興奮したものだが、走るたびに体重を減らしていって。わたしに似て(?)みんなナイーブなんだから …(泣く)。くよくよしても始まらぬ。さあ、来年来年。

話、変わって。昨日の夜はなかなか寝られず。今日がダービーというせいもあったのだが、むしろそれより、Jクラブ(仮称)の今後の展開を考えていたら、すっかり興奮してしまったのだ。

まずはリーディング公演からスタートするというのは以前にも書いたが、しかし、本公演の単なる助走という位置づけでは詰まらないんじゃないかと思えてきて。リーディングから始めるのはいい、でも他ではあまりやっていなさそうな形で出来ないか、単に「フツーの芝居から動きを抜いたヤツ」ではなく、リーディングでしか出来ないやり方があるのではないかと考え、次のようなリーディングの方法を思いついたのだ。即ち。

過去のわたしの戯曲から数本を選んで、というのは変わらない。でも、その数本並べてをお行儀よく演じるのではなく、例えば、戯曲で設定されている登場人物の年齢や性別をとっぱらって、男3人の登場人物を女性がひとりでやるとか、それも演じる俳優は日替わりにして。あるいは、複数の戯曲をミックスして「新作」に仕立て上げ、要するに「今日・ここでしか見られない」一回限りのものを作るのだ。基本的に装置は作らず、照明も必要最小限に抑えることで、舞台の自由度が高まるような気がする。

21世紀になって以降、わたしが衝撃に近い刺激を受けた芝居は2本あり、一本は去年上演された小野寺さん演出の「あの大鴉、さえも」で、もう一本は、(これも以前にブログに書いたが)一昨年の暮れに見た「ユートピアだより」(作・演出 殿井歩)である。自分で言うのもなんだが、わたしは実に素直な人間なので、刺激されたら躊躇うことなく真似をする、前述のアタマに浮かんだ「試み」は上記2作に刺激されたものである。当然のことながら「2本」には共通するところがある、説明臭というものがなく、無駄のないことが豊穣さ(=ユーモア)を感じさせるのだ。

今のところ決まっているのは、10月から始めて半年間毎月公演、タイトルは「竹内銃一郎集成」として、公演ごとに「vol.1.2 …」とサブタイトルをつけることと、第一回目の出演予定者5人のうち4人と。テキストの素材としてピックアップする戯曲は、書かれた時代を横断して選ぼう、70年代に書かれた初期作品と、この2、3年に書かれた最近作とを並べてやったら、相当面白いのではないか。と思うのはわたしだけ、かな?

 

 

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