竹内銃一郎のキノG語録

思わぬ危機・恐怖に直面! 気をつけなされ。2018.08.09

この一ヶ月余の間に、地震、豪雨・洪水、暴風、猛暑と来て、次は落雷攻めでも? と思いきや …。

数日前から一時のことを思えばずいぶん涼しくなり、これなら散歩もOKだなと一昨日、久しぶりに御所まで歩く。夕方、心地よい風が汗をかいた首筋を撫で、結構なことこの上なし。夜も25度を超えていわゆる熱帯夜ではあったが、まあ、冷房はいいでしょと、つけないで寝たら驚くべきことが! 深夜、あまりの痒さに目が覚める。痒いの痒くないの、70年生きてきて記憶にないその過剰な痒さ。いったいどうなってんだと電気を点けると、ナ、ナント、臍から下、股座から太腿からふくらはぎから、面積にしてそれらの半分くらいが真っ赤に腫れあがっている、まるで火玉でも食らったかのように。まるで悪夢。我が身にいったいなにが起こったのか?! ダニ軍団にでも襲われたのかと思い、PCを開いてダニにやられた画像など見てみると、似てはいるが、わたしのように広大な赤身(?)にはなっていない。他に思いが及ばず、とりあえずはダニにやられたことにして、シャワーを浴びて赤身を冷やし、床についてはみたものの、不安で不安でとても寝られたものじゃない。そうこうするうちに奥さんが起きてきて、我が赤身を見せると、これは毒蛾にやられたに違いないと断言。風呂に入れと命令するので、さっき下半身はシャワーで流したと答えると、きっと御所の木の葉にいた毒蛾にやられたのだ、毒を木の上から撒いたのだから頭も洗えと、うるさいのなんの。これが朝の4時ごろ。ひとりで吠えてろとわたしは再度PCを開いて近所に皮膚科医院はないかと調べる。むろん眠れず。9時過ぎ、ネットで調べた病院に出かける。

徒歩15分。涼やかな風が吹いているのにわたしの心身は重くそして暗い。堀川通脇の、びっくりするほど質素な医院のドアを開け、少し待つ。ふと自分の腕に目をやると、数時間前には赤く腫れていた左肘あたり、赤い点々が三つばかりあるだけであとは正常に戻っている。「竹内さん、どうぞ」と、推定年齢62歳の女医さんに呼ばれて診察室へ。ああだこうだと事情を伝えると、「蕁麻疹ですね」と一言。体のあちこち、恥ずかしい部分も隈なく調べられると思ってパンツもはき替えて来たのだが、着ていたシャツさえ脱ぐまでもなく。どうして分かるのですかと聞くと、ダニ、毒蛾等にやられたものなら数時間で腫れはひかないとのこと。なるほどネ。蕁麻疹で間違いないはずだが、もしも24時間経っても腫れがひかないようならまた来てくださいと、かゆみ止め、腫れ止めの薬を貰って帰る。所要時間わずか5分。数時間前の近年感じたことのないアノ不安・恐怖はいったいなんだったのか。トホホとヤレヤレがない交ぜになった心持ち。ついでだから、久しぶりに東寺に行ってみようと10分ほど歩くと、腕の関節、足のふくらはぎに赤い腫れが甦っている。お!! いやこれは、とわたしは気づく。医師も言っていた。風呂に入ったり運動したりすると血行がよくなって、また腫れを引き起こすかもしれないので、しばらく控えて下さいと。つまり、室外温度が上がった中で10分歩いたら、血行がよくなって汗もかき、それが再度の腫れを招いたのだ、と。

唯今15時55分。あの恐怖から36時間が過ぎた。今朝起きた時には左足の膝上に、ポツポツと赤い点が二つ残っていたが、いまはそれも消失し。皆様、くれぐれもおやすみになる時にはご注意を。しかし。なにはともあれ、めでたしめでたし。

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