竹内銃一郎のキノG語録

洪水はわが魂に及び …  本番、始まる!2019.10.10

昨日本番初日無事終了。心配だったお客の入りはまずまずで、とりあえずひと安心。ただ、週末3連休が。東京方面からの予約が次々とキャンセルされている。「今は昔、~」の終わり近く、男2「雨には泣かされたなあ」男1「何度も泣いた、シトシトと」なんてやりとりがあるのだが、う~ん、どうやら週末の雨はシトシトなんて生易しいものではないようだ、ガッデム! しかし。先に続く台詞の中には、「シトシト、シトシト …いつまでも降りやまぬ雨。いつしか橋は流され、堤防は決壊し(中略)ああ、洪水はわが魂に及び …」なんて、わたしが演じる男1の台詞がある。ナントカナランカイ、「神様~~!」。

本番前日のゲネプロで大失態。途中までまずまず順調に進んでいたのだが、わたし、それまでの幾つかの台詞のつまずきが気になって流れになかなかうまく乗れず、そのうち、9本かかってくる電話のうちの一本を飛ばしてしまい、台詞のつじつまが合わなくなって途中でストップをかける。少し戻して一応ラストまでたどりついたのだが、当然のことながらドカンと不安が押し寄せてなかなか眠れず、夜3時頃、起きて台本を読み直し …。なんてことがあったから、もう昨日の舞台は心臓バクバク、まさに「清水の舞台から飛び降りる」ような心境で臨み。男1のモノローグから始まる前半は大過なく進んだが、半ば過ぎあたりから過剰な緊張に照明の直射がプラスして、喉はカラカラ声もかすれて …。でもまあ、なんとかゴールにたどり着く。昨日の「今は昔、~」のわたしの採点は、客席から幾度も笑いが届いたから70点(ちょっと甘いかな? 許して)。

「眠レ、~」の舞台、自分の衣装の片づけ等いろいろあってS2からしか見られなかったが、こちらは文句なく面白い。密着と離反を繰り返すS1から一転、妹のアキラが、いがらしみきおの漫画「さばおり劇場」の中のひとつを唾を飛ばしながらひとり語りするところから始まるS2は抜群に楽しく面白く、このシーンの溢れるようなエネルギーが、これに続くS3、4、エピローグと、最後まで力強く引っ張っている。改めて思ったのは、今回の二本立ての<木霊効果>。以前にも書いたが、両作は似通っているところが多々あり、そこが一本だけでは不可能な、なんともいえぬ相乗効果をもたらしているのだ。頑張るゾ、ワシも。おそらくこれが最後の出演作になるはずだから。いや、他からのオファーがあれば話は別ですが。

皆さまのご来場、心よりお待ちしています。

 

 

 

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