是非、オオスギ=藤原大介を見てほしい。 「恋愛日記」の稽古日記④2021.06.01
ああ、もう12時だ。コレ書き終わる頃には6月になってるな。今日は稽古が休みで、久しぶりに10キロの散歩をしたのだが、暑いのなんの。でも、さっきベランダでタバコを吸っていたのだが、結構な涼しさ。今回の公演が終わるまで毎日こんなお天気・気温であったら有難いのだけれど …
それにしても昨日今日と忙しかったなあ。昨日はダービーがあって朝からてんてこ舞い。前にも書いたが、POG仲間の持ち馬が5頭も出走し、ナ、ナント佐藤さんの持ち馬が優勝して、橋本さんの持ち馬が3着。わたしが彼らに支払うお金が大変な額になったが、いつものようにみんなでダービーの馬券を買ったら3連単が的中。配当金が40万近く入って(4人で分けるからひとり9万強)、わたしの彼らへの支払金は5千円ほどに。よかったよかった。
ダービーが終わってすぐに稽古場へ直行。昨日はこの3週間ほど借りていた劇団京芸での最後の通し。一昨日は結構な出来だったが、乱高下が激しい今回の稽古なので、不安半分期待半分で臨んだのだが、採点すれば60点の出来。う~ん⤵。しかし、以前にも称賛した本多さんと、主役ともいうべきオオスギを演じる藤原さんの芝居が面白いのなんの。
オオスギは売れない映画監督なのだが、わたしは関西在住の俳優のことは知らないも同然なので、「演出家かホン書きで、芝居も出来る俳優を知らない?」と水沼に聞いたら、彼を推薦してくれたのだ。実年齢は40代後半で、初演でこの役を演じた木場は30代だったからいささかの不安を感じたのだが、見た目は40前後に見えてなんの違和感もなく、稽古が進むにつれて本領発揮。とりわけ、S8での彼は素晴らしい! 彼はキヌ子という奥さんがいながら、彼女の妹のカノ子と同棲に近い日々を過ごしていて、更に、なんと、カノ子とは会社の同僚であるハル美とも性的な関係を。そのことが、ハル美の告白でカノ子に分かってしまう。そうだ、カノ子等が住むアパートにやってきてカノ子に<告白>をする、この時のハル美を演じる岡田さんもなかなか見せる。この場面の冒頭では冷静に見えるカノ子は時間の経過とともにハル美への怒りはあからさまになり、そこへ、健康維持のために一日10キロのランニングをしているオオスギが顔を見せると、ふたりの女性の怒りは頂点に達し、「オオスギさんを責めないでね」とハル美が出て行くと、このシーンのというか、この劇全体のヤマ場とも言えようオオスギとカノ子の対決シーンとなるのだが、ここが藤原さんの最大の見せ場だ。キヌ子はハル美から聞いたことの真意を彼に問うのだが、彼のその対応の仕方が絶品!
この戯曲は秘法の俳優たちへのあて書きから成るもので、オオスギ役は木場勝己だった。彼は観客の笑いを誘う演技はお手のものだったが、根は真面目で、このシーンではその根を露出させた。もちろん、わたしはそれを前提に書いたのだが、藤原さん=オオスギのカノ子への対応はどうにもいい加減で、彼の実生活の動向の一切をわたしはまったく知らないが、とにかく事実のはぐらし方が堂に入っているので、現在はともかく、かって彼にもこんなことが? と思わせるほどのリアルさ。これまでも、いい意味でわたし=作家の意図とは異なった演技を見せてくれた俳優は幾人かいたが、今回の彼はその中に入るはず。だから、一人でも多くのひとに見ていただきたいんだけどなあ。
今日はようやく「竹内銃一郎集成」の第一巻「花ノ紋」が届いたので、わたしへの「恋文」と称して、この巻の解説を書いてくれた佃(典彦)くんに、改めてお礼のメールを送り、知人10人ほどに公演のチラシと「花ノ紋」の刊行をお知らせする手紙を書き、それから、そうだ、今日の3時過ぎ、昨日録画した「テンダラーの漫才」を見て、とんでもない興奮をさせられたのだった。以前から彼らの漫才を評価していたのだが、今日見たそれでは、ナ、なんと1時間以上、ほとんど休みなしで10本ほどのネタをご披露して、そのどれもが面白いのなんの。いやあ、あの時の笑いすぎも今日の疲れの原因だったかも?