竹内銃一郎のキノG語録

照る日くもる日2021.06.16

先月末から、夏のような暑さほとばしる(?)日々に時々激しい雨の日がポツポツ。ともに散歩するのにしんどくて、体重はそんなに増えてはいないのだが、なんだか体が緩んでいるようだ。
公演が終わった翌日の月曜日。何人かお客を連れて来てくれたお礼もかねて「直珈琲」に久しぶりに出かける。「恋愛日記~」を面白かったとありがたい感想を語る彼に、でも、あそことあそこのシーンが …とわたしが何点かの不満を伝えていると、な、なんと柄本さんが登場! 京都で仕事? と聞いたら、「いや、仕事がなくて暇で暇で」との答え。3人でなんだかんだ話をしているところに、な、なんと植田さんも登場!! 彼女は数年前に、わたしが伏見桃山の自宅で開いていた「戯曲講座」に、東京から月二回休まず参加していた女性で、前回公演「さいごのきゅうか」の制作を担当、今回の「恋愛日記~」ではユキ絵役で出演してくれたのだが、元々は東京乾電池の研究生だったのだ。しかし柄本さん、彼女の記憶はなく、さらには、彼女が働いている下高井戸シネマには柄本さんもよく出かけられていて、顔を合わせるたびに挨拶をしているらしいのだが、それも記憶が …。店には1時間半ほどいて、柄本さんと直さんは一緒にどこかへとの約束があるらしく、わたしたちはそこで別れたのだが、柄本さんから、「明日一緒に食事でも …」と植田さんともども誘われて。、
昨日の18時半、南座前で待ち合わせ。昼過ぎから降っていた雨もその頃はほぼ止んでいて。昨日、直さんとそれから出町座等を運営されているらしい某氏(名前失念)と3人で出かけたらしい店に、柄本さんが連れて行ってくれる。自慢じゃないが、わたしは外で飲食することは稀なので、まったくと言っていいほど、この種の店を知らない。(ああ、まだあれからまる一日しか経っていないのに、あの店の名前も場所も忘れてしまった)、まあ、近所に行けば分かるであろうが。それほどの高級店ではないが、カウンターに7,8席、そして4畳半ほどの部屋があり、わたしたちはそこに招かれる。幾種かの日本料理が出され、それらの大半はわたしが苦手とするものだったが、残すわけにはいかないので口に入れるとどれも美味しく、あれはなんというのか、赤くて細い枝状のもの(⁈)以外はすべて食べきる。
いつものことだが、柄本さんとの語り合いは楽しい。そして、これもいつものことで、概ねは映画の話になるのだが、お互い、映画のタイトルや出演俳優の名前がすぐには出てこず、それを時々、若い植田さんが助けてくれて。しかし、ショックだったのは、柄本さんの方がわたしよりも記憶力があることが判明したこと。確かに彼の方がわたしよりひとつ若いのだが、40対60でわたしは負けたのだ。クー。いやいや、先日も、今回のチラシを作ってくれた吉川さんに、「ギャラの振込先を教えて」とメールを送ったら、「もういただいています」との返事が! 言われてみれば確かにそうだ。完成して間もなく、彼女に同じメールを送ったことが甦る。
さっき届いた2通のメール。ひとつは、姉の娘の子どもで、今年新潟大学に入学した俊之くんからで、もうひとつは、20年近く前になるのか、福岡の大野城で松田(正隆)くんの戯曲を演出した時の出演者、久行さん。ともに、先日見に来てくれた「恋愛日記~」の、感激を伝える感想を送ってくれたのだ。ありがたや。
今回のタイトルは、大昔に見た映画のタイトル。この映画、正月だかお祭りの日だか、我が家に来たいとこ達数人と一緒に見たのだが、いとこの中では最高の人気者だったアツシくんが、この映画のワンシーン、主役の嵐寛寿郎に切られ川べりに倒れたひとりが、自らの腕を水の流れにぶらぶらさせていたシーンを、「あれ、面白かった」と家に帰ってみんなの前で再現して見せたのだった。ネットで検索したら1954年公開とあった。てことは、わたしは6歳で一年生、アツシくんは確かわたしより3つ年上だったはずだから4年生。彼は当時のわたしの憧れのひとだった。そうだ、クレージーキャッツの面白さを教えてくれたのも彼。今頃はどこでどうして ……
  

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