竹内銃一郎のキノG語録

赤い紅葉よりわたしは黄色いイチョウの方が好き2021.12.06

昨日の夜10時前、タバコを吸いにベランダに出ると、頭上に星が10コほど見えて驚く。やっぱりしんしんと冷える冬の夜空は星が輝いてよく見えるのだ。いや、輝いて見えるのは3コであとはかすかにほの見えるだけだったのだが。
一昨日の土曜日、京橋から歩いて10数分のところにある松本工房に出かけ、来年1月に刊行予定の「竹内銃一郎集成② カップルズ」の最終チェック。松本社長、編集担当の小堀氏と3人で目を通し、OKを出す。驚いたのは久しぶりに会った小堀氏。体のあちこちがよろしくないらしいのだが、記憶力がいまだに半端ないのだ。3年ほど前から記憶力が急降下しているわたし、人名や本や映画のタイトル等がなかなか出てこないのだが、わたしが「え~と、あれは誰だったっけ?」と呟くと、間髪入れず、すぐに正解を出してくれたのだ、彼はもう60半ばを過ぎてる年齢だというのに。もっと驚いたのは、「カップルズ」に入っている「あたま山心中 散ル散ル、満チル」の最初のシーンのミチルの台詞の中に、ガルシア・マルケスの短編小説の一部を引用しているところがあるのだが、その小説のタイトルがよく分からないとエンドマークのあとの「注」に書いたのだが、彼はそれを「エレンディラ」であることを見つけ、さらには、「今は昔、栄養映画館」の終盤にある男2の、淀川長治の書いたものからの引用の台詞、これも淀川氏の自伝からの引用だと正解を見つけて。まさに脱帽! 会議終了後、京橋駅近くの飲み屋で3時間余を3人で過ごす。ひとつ仕事が終わったというヤレヤレ感も手伝って、楽しい時間となった。
先週金曜にAmazonに発注した河合香織の「帰りたくない 少女沖縄連れ去り事件」(新潮文庫)を読書中。最初に呼んだ「あとがき」を面白く読み、期待大で本文(?)を読み始めたのだが …。これを読もうと思ったのは、なんとか来年中に書き上げたいと思っている戯曲「コスモス」の参考になるのでは、と思ったからだ。「コスモス」は20年ほど前に見知らぬ少女と車に乗って何日かあちこち出かけて …という過去を持つ男が主人公なのだ。読み進めれば読み進めるほど、わたしの構想からどんどん外れていくのだが、とにかく最後まで読ませてもらいましょ。
今朝、ツイートした「THE MANZAI21」に触れて今回の締めとしよう。全22組中笑ったのは8組。クスリとも出来ないどころかイライラさせられたのが、アンタッチャブル、おぎやはぎ、とろサーモン、中川家、爆笑問題等を含む10組。苛立ちはしないけど、以前はもっと笑えたのにと思わせたのだが、和牛、かまいたち、霜降り明星、それにサンドウィッチマンの4組。A評価の8組は皆、まるで新ネタをご披露するかのように、それなりの緊張感を感じさせ、そこに初々しさをも感じさせて、そこがよかった。もちろんネタ自体が面白いのは言うまでもない。一応、ナイツを最高!としたが、もっとも刺激的だと思わせたのはウーマンラッシュアワーだ。例によって例のごとく、村本がひとりで喋りまくるのだが、そのスピード感がたまらない、そして、明らかに笑わないならそれでも結構、という芸人らしからざる傲慢な態度にも心奪われた。彼は来年3月にアメリカに行くと言うのだが、またまた新型コロナ・オミクロンの攻撃で海外渡航はNGになるかも? これもまた彼のネタになるかも知れないな、運のいい奴。

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