竹内銃一郎のキノG語録

お世話になりました。来年もよろしく。2021.12.31

先週先々週の週末は京都市内にも相当の雪が …とTVの「あなたの街の天気」では報じられたがさほどのことはなく、だから、今週の土日も雪に注意をと同様のことが報じられてもまったく信用しなかった。案の定、朝の8時頃にはパラパラと降ってはいたが空はきれいな青空で、やっぱりチョボ雪だよなと思っていたが、10時過ぎ、わたしの仕事部屋兼寝室を出てタバコを吸いにベランダに出ると、かなりの量の雪が風に吹かれて舞い狂っていて、バックはすっかり灰色の曇り空、こりゃスゲー。こんな雪を見たのは何年ぶりだろう?
一昨日の夜、A級Mの土橋くんを久しぶりに飲もうと誘って京都駅前で落ち合う。彼は「竹内銃一郎集成」の3巻「耳ノ鍵」の解説を書いて貰ったので、松本工房から送られてきた「~② カップルズ」を贈呈しようと思ったからだ。彼が書いた「解説」の凄さは以前にこのブログに書いたはずだが、わたしの戯曲もさることながら、是非彼の「解説」を読んでいただきたいなあ、という話はともかく。時間は18時半。わたしが一度入ってみたいと思っていた居酒屋に行くと、客がいっぱいで入れず、そうなったらあそことあそこにと思っていた2軒もNG、こうなったらアソコでいいかと、彼と二、三度入ったことのある駅前の「酔心」に行ったら、100人以上はゆうに入れるはずのこの店もout! やっぱり年末だから駅前周辺はダメかもと思って、堀川通まで足を伸ばし、あちこち10数軒の店を覗いてがすべて満杯、しょうがないので我が家でやることにする。小一時間歩いてこの始末、こりゃ年が明けたらコロナちゃん数が爆発的に増えるな、と確信した。
このブログで繰り返し書いてきたが、TVで見るこの国の映画、ドラマ、そしてお笑い番組の9割はまったくの低レベル、今年見た10本ほどの演劇も、その大半はわたしの知り合いが関わっている作品だったが、それだけにどうにかならないものかと見るたびに気分が落ち込んだ。何故こんなことになっているのか。おそらくわたしの志向と現在の多数の好みが大きく違うのだろう、多分。嗚呼!
今年わたしが見た映画ベスト5は、順不同で、「秘密と嘘」(監督マイク・リー 1996年)「リラの門」(監督ルネ・クレール 1957年)、「詩人の恋」(監督キム・ヤンヒ 2017年)、「ゴースト・ドッグ」(監督ジム・ジャームッシュ 1999年)、「エル・スール」(監督ビクトル・エリセ 1983年)。それにケンローチの「家族を想うとき」、クロエ・ジャオの「ノマドランド」「兄が教えてくれた歌」も忘れられない傑作だったが、久しぶりに見たジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」には今更ながらに大笑いした。
5月に「恋愛日記’86春」の公演が終わった後、久しぶりに読書に傾倒する。ペレイラに依頼された彼の劇団「プロトテアトル」の公演用戯曲「つみれとバクダン BangBang」(仮題)と、佐野さんと約束したJIS企画公演用の「コスモス」(仮題)を書くための資料集めが目的であったが、いつの間にかその筋から逸れてしまった。久しぶりに読んだ保阪和志の「読書実録」「遠い触覚」もやっぱりふむふむと何度も頷いたが、つい昨日読了したから当然とはいえ、早川義夫の「女ともだち」が忘れられない。あちこちの頁に付箋を貼ったが、以下はそのひとつ。
僕はもう駄目だ。曲はできないし、文章も書けない。恋が終わったからである。伝えたいこともなければ伝えたい人もいない。それでも僕は呼ばれれば歌いに行く。歌に乗せて今の自分の気持ちをあらわすことができる気がするからだ。その時だけ僕は生きている。
ただいま17時。一時間ほど前に外を見たら雪が物凄い勢いで降っていたが、いま見たらまたパラパラ系になっている。今日は夜の10時を過ぎたら、奥さんとどこかのお寺&神社に行こうと言う話になっているのだが、行けるのかな?
久しぶりに長い文章になった。では皆さま、よいお年を! わたし、もう少し頑張りますデス。
 
 

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