竹内銃一郎のキノG語録

これは紛うことなき必見の傑作! 「ドリームランド」③2022.03.13

金曜日、J.comに頼んでプリントもスキャンも出来るようになったのだが、今度はパソコンとTVの間で不可解な出来事が。土日はTVで競馬中継を見ながらPCで馬券を買うのだが、全レースの馬券を買うわけはなく、PCの電源を切らずにそのままにしておくと、10分くらい経つと電源が切れてしまう、それはいいのだ。しかし、それと同時にTVの競馬中継の画面も消えて、花火みたいな映像に変わり、画面の下に「音楽に切り替えますか」という文字が出てくるのである。そんなPCとTVを連動させるような手続きなんかした覚えはないのにィ😫 まあ、「しない」の方にピントを合わせてリモコンを押せば画面はすぐに戻るのだが。ああ、めんどくさい😫😫😫さて、「ドリームランド」の続きを始めよう。まずは訂正。
この映画に触れた最初の文章では、「語られる時間はおそらく一週間から10日くらい」と書いたが、改めて見てみると、描かれる時間はおそらく3,4日だ。ユージンの家族たちが住む町の銀行を襲ったアリソンは、警官の襲撃にあって相棒の男を亡くし、彼女もかなりの重傷を負って、ユージン達が住む家のすぐ近くにある、今ではほとんど使われてはいない納屋に逃げ込む。夜、そこに来たユージンはアリソンと出会い、彼女にケガの治療を依頼され、献身的にそれに応える。その翌日にも、アリソンはひとりではなにも出来ないので、ユージンは、治療に加えて食事ももってくる。彼女を警察に突き出せば1万ドルの賞金にありつけるのだが、彼女は自分をメキシコまで連れて行ってくれたら2万ドルあげるというので、彼はその気になるのだが、ふたりの時間を過ごすうち、ユージンはアリソンを好きになり、アリソンにはそのことに気づき、彼をうまく使えば …と考えるようになる。と、ここまではすでに書いたが。
あれは3日目の夜だったか、アリソンは体を奇麗にしたいから近くの川に行って …とユージンにお願いをし、そして。ふたりが無邪気に川で水浴びしているところを近所の人に見られて、アリソンがまだこの町にいることが町中に知れ ……
ストーリー的には、いうなればありがちなものと言えよう。しかし、こういう最近の映画はあまり見たことがない。出演者たちの、とりわけユージンの家族たちの絡み=演技力(演出力?)がかなり上級で。とりわけ妹・フィービーの演技は子どもとは思えない。兄がアリソンと一緒に家を出ることを寝室にいた彼女に告げる時の絡みは、ほとんど恋人同士の別れのようで切なさに溢れ、両親の問いに応えて、兄がアリソンと一緒に …と伝える時の彼女も同様、真に迫ってる。
突然この町を襲う砂嵐のリアリティも尋常ではない。アリソンが家の納屋にいるのではと気がついたユージン等の父親が、家のドアを開けると、納屋の向こうの空が不吉な雲にに覆われていて、それからさほどの間を置かず、辺り一面がもうもうたる砂嵐に包まれるその凄さ・怖さは、東日本大震災の時に東北地方を襲った津波を思い起こさせるリアリティがあるのだ。
その翌朝、ユージンは家のトラックにアリソンを乗せてメキシコを目指し、そのふたりを父が街のおっさん二人と娘のフィービーを乗せた車で追いかけるのだが、その前に、アリソンの導きで、ユージンは街の銀行を襲い、そこで思わずひとを撃ち殺し …
それからなにがどうなるか? 詳しくはこれ以上書かないことにするが、第一回目に書いたラストのフィービーのモノローグの最後「最後に兄を見たのは、20年前の1935年4月16日。一年ぶりに雨が降った。兄が探し物を見つけた”しるし”かもしれない。」と語られる時の画面にはなにが映っているかと言うと、カメラはかなりの上空から、砂地に仰向けに倒れ、体のまわりが血で染められているアリソンを撮っていて、そんな彼女にまるで潤いを与えるかのように、彼女の周りだけに雨が降りだして …THE END.
一週間ぶりにこれを再見したのだが、どこを押してもこれは必見の快作です😻😻😻

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