「トリとロキタ」 こんな生々しくて切ない映画は見たことがない🥲2024.05.30
先月末に、8月に上演する新作「コスモス ~」をようやく書き終え、今月になって、しばらくご無沙汰していたTVでの〈映画鑑賞〉に時間を割くようになったのだが、なかなか心躍る作品に出合えず😒。この作品はなかなかだ😍と思ったのは、「サラリーマン目白三平 女房の顔の巻」(監督鈴木英夫)くらい。主役の目白三平を演じた笠智衆、やっぱりgood🐶
一週間ほど前に見た「トリとロキタ」(監督ダルデンヌ兄弟)は、2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、75周年記念大賞を受賞した作品だが監督の名は知らず、75周年記念大賞の存在も初耳だったし、いかがなものかとさほどの期待感も持たずに見たのだが、これが🤩!
十代後半と思われる女性・ロキタと小学生と思われる男の子トリは、ともにアフリカの同じ都市の生まれだが、多分、家が貧しいからだろう、ベルギーの小都市(?)に送られて。いつどこで知り合ったのかは不明だが、ふたりはまるで仲のいい姉弟のよう。とりわけ、ロキタを支えるトリの言動には頭が下がって感動はひとしおだ🥲
物語は、ロキタがビザの申請をしているシーンから始まる。すでにビザを獲得しているトリも、ロキタの励ましになろうとその場にいるのだが、しかし、ロキタの希望は、途中、彼女の持病の発作もあって受け入れられず😔
ふたりは、料理人の男に命じられて、ドラッグの売人の仕事をしている。その後、時間経過がさだかではないが、ロキタは前述の料理人の指示で、大麻作りをする場で働くことになる。そこで働いているのは基本、彼女一人だ。ずっと一緒にいたトリに電話がつながり、トリはロキタの働き場に行き、そして …。あれこれあってふたりはそこから逃げ出すのだが、悪党どもに追われ、そして、ロキタは悪党の拳銃に撃たれて …😔😔😔
この映画の画面の大半は、まるでドキュメンタリーのよう。ふたりを正面から撮るシーン・カットよりも、背後からふたりを追いかけているシーン・カットが記憶に残るのだ。ラスト。亡くなったロキタの葬式の最後、式の進行者に言われ、なんだか小学校で歌われているかのような歌をトリが歌って …
わたしはこれまでおそらく2千本以上の映画を見ているはずだが、上映時間約90分のこの作品の約9割、おそらく80分以上はふたり、もしくはふたりのどちらかが画面にいる、こんな映画は見たことがない。