竹内銃一郎のキノG語録

感動のカーテンコール 若い頃、キャバレーで働いていたことがあり…2011.04.09

今日、エンディングを見てたら、待てよ、これに似たシーンを以前に作ったことが…と。
そうだ、本多劇場版の「あの大鴉、さえも」だと思い出す。3人の男が踊るように足を踏み鳴らしながら、壁の中に分け入って行く、アレ。
あの時は、いったん暗転となって、すぐさま、キヨシローの「雨上がりの夜空に」が流れ、と、思う間もなく舞台袖から曲に合わせて、3人の足踏みが聞こえる。で、3人が冒頭のシーンをリフレインするように、幻の大ガラスを運びながら現れて…、客席から手拍子が!
あの時は正直、鳥肌がたち、かなり感動してしまいました。毎回、手拍子ありましたからねえ。
ドーでもいいんですが、と前置きして、なにかイチャモンをつけるのが、最近のわたしのパターン。カーテンコールを何度も繰り返すヤツ、なんとかならんのかね。ま、外国から来たカンパニーは例外なく、しつこい。ま、お人良したちが拍手をいつまでもやめないから、何度もやるわけだけど。
自慢じゃないけど、わたしは一度目が終わったら帰ることにしてるから、大体、劇場ロビーに出るのは一番早い。
観客の拍手と言えば…
若い頃、キャバレーで働いていたことがあり、そこで、残酷な観客たちの振る舞いを目撃。
その日は、往年の人気歌手の出演。歌なんか聞いてる客なんかほとんどいない。で、最後の歌を歌い終えると、アンコールを促す、観客の拍手。聞いてなかったのにですよ。歌い終わる。歌手は引っ込む。と、また拍手。また歌う…
こんなことが4、5回繰り返されたような気がする。ほとんどイジメですね。
歌手は、忘れもしない、神楽坂はん子。あの時、彼女は何歳だったんだろう? 若いわたしの目には、お婆さんとしか見えず、だから余計に、厚化粧の芸者姿が、なんとも切なくて。

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